小樽市公会堂(花園5)にある能楽堂(旧岡崎家能舞台)が、6月1日(木)から3ヶ月間の一般公開が始まった。
小樽市能楽堂は、1926(大正15)年に佐渡出身の実業家岡崎謙氏が、自邸(入船)の庭に建てたもの。1954(昭和29)年岡崎氏の死後、小樽市に寄贈され、1961(昭和36)年公会堂の移築と同時に現在地に再建された。1985(昭和60)年に小樽市の歴史的建造物の指定を受け、1993(平成5)年から一般公開を始め今年で19回目。
一般公開は6月1日(木)から始まり8月31日(木)までの3ヶ月間。一般公開と同時に6月4日(日)までは、末武行雄教室(塩谷2)の「向日庵能面展」が開かれている。生徒8名の19作品と末武氏の2作品の計21の力作がずらりと並んでいる。
平家にその人ありと言われた剛勇の武将「景清(かげきよ)」の面や目を、“へ”の字形にくりぬいた「延命冠者(えんめいかじゃ)」の能面が、能楽堂の観客席の壁に飾られている。
同教室生徒の高村吉郎さんと山塙圭子さんは、「古面(こめん)を忠実に再現するとあって、本当に難しい。一寸の狂いも無く木を彫っていかなければいけないが、除々に形になっていくのが楽しいです。能装束の寄贈などもあって、これから能などの文化が盛り上がってくれれば」と、面や能装束、能舞台を見ていた。
岡崎謙氏の孫にあたる悠吾氏(66)から、5月29日(月)に寄贈された豪華絢爛な能装束など13点611品のうちの一部、表着(上着)、着付(内着)、袴なども展示されており、見学者からは「本当にすばらしいものだね。大変だけど、ちゃんと手を抜かないで、このままの状態で保存してもらいたいね」と、じっくりと眺めていた。
「向日庵能面展 末武行雄教室」は、4日(日)10:00~16:30まで。
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