カッコウ!カッコウ!森の中から流れる心地良い鳥の鳴き声に導かれ、緑濃い樹間の散歩道をゆっくりと進む。
市街から近い絶好の眺望地点・旭展望台周辺に広がる市有林には、簡単に散策が楽しめる遊歩道が18コースも整備されている。緑が一段と濃くなったシーズンの森林浴を楽しみながらの遊歩道散策は、小樽市民に何よりの爽快さを与えてくれる。
旭展望台周辺の森林は「旭町広域総合生活環境保全林」として、北海道が1991(平成3)年から1994(平成6)年にかけて整備した。面積280ヘクタールに及ぶ広大な森林には、カラマツ・クロマツ・アカマツ・シラカンバ・ミズナラ・イチイなど樹種も豊富で、カッコウ・ウグイス・ヒバリ・ヤマゲラ・ツグミ・メジロなど鳥の種類も多く、豊かな自然相を見せている。
この森には林間を縫って遊歩道が18コースも整備され、快適な散策やハイキングが手軽に楽しめる。18コースは短い300mから長くても1.7kmまでが縦横に走り、計14.5kmの遊歩道に様々な設定がされている。
コースの案内板がそれぞれの起点に立てられており、道を間違うこともない。休憩小屋や見晴の丘、芝生広場、WCや駐車場も用意されている。小林多喜二や小田観蛍の文学碑などもあり、一見の価値がある。
遊歩道を辿ると、林間から市街と海や天狗山が時折顔をのぞかせる。白樺林を吹き抜ける心地良い風が身体を包み、ゆったりとした貴重な時間の推移を楽しめる。
この季節、梅雨のない北海道小樽の森林歩きの爽やかさは、うっとうしい梅雨に泣く本州人には、到底経験の出来ないことで、小樽の街に住む人だけに与えられている特典だ。爽やかな季節に、ちょっと足を延ばして、弁当持参でこの遊歩道を楽しみたい。
◎遊歩道