小樽観光協会職員が業務上横領!532万円着服で懲戒解雇! 


kanko1.jpg 観光都市小樽の観光業務の中核をなす小樽観光協会(佐藤公亮会長)の、37歳の男性職員が、市から業務委託されている運河プラザ(色内2)にある多目的ギャラリーの使用料、総額532万円を着服するなどして、4月20日に懲戒解雇されていたことが判明した。
 小樽観光協会は、佐藤公亮会長・佐々木一夫常務らが、5月12日(金)16:30から記者会見を開き、事件の概要を説明した。
 「小樽市観光物産プラザ多目的ギャラリーの使用料徴収事務については、小樽市から当協会に業務委託されておりますが、使用実態と使用料の食い違いが見られたことから、職員からの聞き取り調査を行ったところ、今年4月に担当職員が徴収した使用料を着服するとともに、不正な事務を行ってきたことを認めました。
 当協会としては、ただちに不正の全容解明のための調査委員会を設置し、当該職員から事情聴取を行うとともに、関係書類を調査したところ、当該職員の着服行為は、平成10年4月から平成18年3月までの8年間行われ、着服金額は333万120円であることが判明しました。
 また、本来徴収すべき使用料を徴収せずに使用させていた事実も判明いたしました。その使用料相当額は199万2,500円であり、当該担当職員はその事実も認めるにいたりました。当該担当職員は、着服及び不正行為を深く反省し、着服金額と不正使用の使用料相当額の総額532万2,620円を、当協会にすでに返済しております。返済金額については、市からの指示のもと、すぐに納入する予定でございます。
 当該担当職員は、本年4月20日付けで懲戒解雇といたしました。当協会としては、事件発覚後、ただちに使用料徴収事務についてチェック方法の強化、事務の改善等を図ったところでありますが、今後とも、再発防止に向け、適正な事務執行に最善を尽くしたいと思います。一連の不祥事の責任を痛感し、小樽市、市民の皆様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを心から深くお詫び申し上げます」(佐々木一夫常務)と説明した。
 同協会では、5月12日(金)に理事会を開き、理事16名の辞表を取りまとめることにした。5月23日(火)に総会があり役員再選期なので、人事を一新することにしている。
 職員による着服は、1998(平成10)年から2005(平成17)までに113件に及び、着服並びに使用料の徴収をせず横領していた。昨年12月に発覚し、本人は4月1日にこの事実を認め、4月20日に懲戒解雇された。平成10年から使用料徴収業務を一人で独占してやっていたため発覚しなかったとしており、使用料徴収は観光協会の一般会計とは別になっており、まかせきりでチェック体制がまるで働かなかったという。
 この着服事件は、多目的ギャラリーを長年使用する特定業者との関わりから、最初は簡単なクレームから、その業者に割引をしたことから始まったとしており、着服及び本来徴収すべき使用料を徴収せずに使用させていた不正行為で、総額532万2,620円にも及んだ。
 同ギャラリーには、平成17年度に市から252万6,000円の補助金が出ており、実質的には市民の税金を横領したことにもなる。小樽市では、昨年12月末に納税課職員による38万円の横領着服事件が明らかになったばかりで、今度は、観光行政で小樽市と一体の観光協会が起こした不祥事だけに市民にも驚きが広がった。
 なお、同協会では、着服・横領職員が総額を返済し、本人もこの事件がきっかけに離婚をするなどしており、刑事告訴は見送ることにしたとしている。市の横領・着服職員が刑事告訴され、逮捕に至ったことを考えると、観光協会の罪を問わない温情処置に甘いのではないかとの声も上がっている。
kanko2.jpg 佐藤公亮会長は 「このような事件が起き、観光都市小樽のイメージダウンも甚だしく、まったく申し訳ない。自分は22年間会長を務めてきているが、今までこのような事件は起きていなかった。これからは、チェック体制を厳しくし、しっかりした人を専務理事に頼み、体制を新しくして、こういうことを二度と繰り返さないようにしたい。小樽観光のイメージを損なうことになり、非常に残念だ」と、「もう一年会長職に留まり、正常化するまで仕事をするしかないと思っている」と、沈痛な表情で語った。