小樽市内祝津3の「おたる水族館」で、4月10日(月)早朝、ゴマフアザラシの赤ちゃんが産声をあげた。赤ちゃんは、 体長60cm、体重8kg(推定)のちょっと大きめなメスで、同館海獣公園の出産プールで、お母さんと一緒に元気に生活している。
ゴマフアザラシは、2月末から4月中旬までが出産時期で、これまで同館では、約100頭に上る赤ちゃんが誕生している。現在、この赤ちゃんを含み35頭(オス21・メス14)が飼育されている。
10日(月)に生まれた赤ちゃんは、オホーツク水族館から来た推定22歳の母親と小樽近海で保護された18歳の父親モンタとの間に生まれた。母親は昨年も赤ちゃんを出産していた。昨年生まれた赤ちゃんは、体が小さく体力的な問題があり、お母さんからも諦められ、わずか3日の命で死亡した。
しかし、今年は親子で鼻をくっつけ合い、「昨年は親が諦めたが、今年は鼻をくっつけて認識し合う動作があり、動物の本能を感じる」(川尻考朗・海獣飼育課長)という。
生まれたばかりの赤ちゃんは、白い産毛に包まれ、“めんこい”つぶらな瞳で辺りを見回している。、客が来ると、すぐにお母さんを呼ぶ。白い産毛は3週間程度の短い期間だけだが、これから太ってきて、ゴールデンウィークにかけてが一番“めんこい”時期にあたる。
川尻課長は「ちょうどゴールデンウィークと重なり、たくさんの人にゴマちゃんと呼ばれるようになる可愛い時期の赤ちゃんを見てもらえる」と期待する。
同館では、2月にワモンアザラシの赤ちゃんが生まれたばかりで、さらに5月上旬から中旬にかけては、ゼニガタアザラシの赤ちゃん2頭の出産を予定しており、出産をラッシュが続く。飼育員たちも「やっぱり可愛い赤ちゃんが生まれてきてくれるのが、飼育をやっていて一番嬉しい出来事」と、ニッコリ笑って話す。