小樽港を一望できる絶好の展望台として有名な水天宮(相生町3・駒木章宮司)は、2007(平成19)年に創祀150年の記念の年を迎える。
この150年を記念して、老朽化と台風や大雪で傷めつけられた同神社を、修復、整備する記念事業の計画が進み、4月19日(水)には奉賛会(中村全博会長)が発足した。
水天宮は、1859(安政6)年に現境内に祀(まつ)られた。現在の社殿は、1919(大正8)年に改築された木造平屋建。本殿は流れ造り、拝殿は入母屋造りの屋根が特徴となっている。夏の例大祭でも知られ、境内の入り口右手には、石川啄木の歌碑も建てられ、市民をはじめ多くの観光客から愛されている。
小樽の歴史と共に歩んできた同社は、長年の経過により社殿の傷みや周囲の景観の荒廃などが見られるようになった。2004(平成16)年には、台風18号によって、境内の別の建物の屋根が破損し、境内を囲んでいた多くの木々も倒された。さらに、豪雪に覆われた今冬2月中旬には、拝殿裏手の回廊の屋根が約4mにわたって柱部分から折れて落ちた。
同社では、この回廊部分の修理費が財政難のため出せず、壊れた状態が続いている。小樽市では、指定歴史的建造物の外観を修理する場合、修理代の3分の1の助成金が出るが、壊れた回廊部分は指定範囲外としている。
このため、小樽の商業人たちが集まり 「水天宮は小樽の観光地でとして有名で、港が一望できるとしても知られているから、みすぼらしくしていたら恥ずかしい」と、150周年の節目に修復や整備をするため、4月19日(水)に奉賛会(32名)を発足させた。
中村会長は 「修復、整備を記念事業とし小樽市民の憩いの場として、また小樽の観光にも寄与したい。少しでも献金して頂いて、我々市民の手で修復や整備ができたら、これに勝ることはない」。駒木宮司は 「みなさんの力で整備 などをしてもらえることにうれしく感じている」と、同会はこれから、募金活動を行っていくとしている。