「妖精の森」でリハビリ!南小樽病院のユニークな試み!


 南小樽病院(潮見台1・大川博樹院長)の通所リハビリテーションすまいる「妖精の森」には、癒しと安らぎの森がある。TVはもちろん雑誌でも紹介され、全国でもめずらしいユニークな病院施設として注目されている。
 ここでは、日中、高齢者を預かり、身体機能の維持向上を目的として、食事や入浴、リハビリテーション(機能訓練)などのサービスを提供している。癒しと安らぎの「妖精の森」があって、上を見れば空があり、下には小川が流れるようなユニークなデザイン。窓からは天狗山が見え、春には散策路の脇の桜がきれいに咲くという。
 2001(平成13)年8月に、大川院長が「リハビリは苦しいというイメージがあるが、楽しく出来るように」と、ゲームメーカー大手、株式会社ナムコの企画・プロデュースで、楽しく遊びながら、機能回復を進められるユニークなリハビリマシーンを設置した。
 現在、腕の筋力トレーニングや反射神経・視覚を広げる、トレーニング・コミュニケーションの促進などの目的で、掌サイズのボールを転がすと、本物のボウリングさながらの迫力が音と映像で味わえる「ファミリーボウル」。次々に出現するワニを叩くゲーム「ワニワニパニック2」。飴取りゲーム「スウィートランドIII」。顔のある不思議な木の枝に、輪投げをして遊ぶ「マンドレークリング」。目標回数を渡り歩くと「妖精の森」の仙人から本日のお告げ(励ましの言葉)がかけられる「トロールの吊り橋」。
 毎時0分には、「妖精の森」のシンボルとも言える大木に止まる小鳥たちが一斉に鳴き出し、仕掛け時計として機能する「バードバードレビュー」など、車椅子利用者や高齢者に扱いやすく改造された6つのリハビリマシーンが設置されている。
 当初は「ゲートボール倶楽部」と「フルール・オルゴール」も設置されていたが、「ゲートボール倶楽部」は現在、病棟で使用され、「フルール・オルゴール」は倉庫の中で眠っている。
 「患者さんが飽きてしまうこともあるので、ゲーム機の他にも、算数教室やきりえ教室など様々な行事も取り組んでいる。デイケアと違う所は、リハビリがあるところで、それを望んでこられる患者さんが、楽しくリハビリが出来て、少しでも身体機能の維持向上してもらえれば」(山中智美看護部主任)と、これからも楽しい企画を用意するという。
 若竹町の朝妻勤(73)さんは、「2年間入院した分、今楽しく遊ばせてもらっている。本当にうれしい。今一番の楽しみです。飴も取れるしね」と、ニッコリ笑って話していた。
 同所での1日は、9:45から健康チェックや、熱・血圧測定、入浴、個別リハビリテーション。12:00から昼食を摂り休憩。13:30から茶話会、個別リハビリテーション。14:00から集団体操、レクリエーション、趣味活動、個別リハビリテーションとなっている。
 通所リハビリテーションすまいる「妖精の森」の対象者は、介護保険の要介護認定で要支援・要介護と認定された高齢者。居宅介護支援事業所の介護支援専門(ケアマネジャー)を通して申し込む。営業日は、月曜日から土曜日で、1日の定員は40名までとなっている。定休日は、日曜日・祝祭日・盆休み・年末年始となっている。

 南小樽病院HP