議員定数削減 決着せず、またも先送り!小樽市議会第1回定例会! 


council8.jpg 2006(平成18)年度小樽市一般会計予算などを審議していた、小樽市議会の3月予算議会(第1回定例会)の最終日の本会議が、3月23日(木)13:00から開かれた。
 本定例会では、市長が言う“均衡予算”という名の実質赤字の“不均衡予算”となっている2006(平成18)年度予算案など議案48件などや、小樽市市議会議員定数削減方についての陳情などを審議し、一般会計予算、特別会計予算などや市職員給与条例の一部を改正する条例案など45議案を成立させた。
 この3月予算議会では、財源難で何も出来ない予算案よりも、昨年来の課題となっている議員定数削減の行方に大きな関心が寄せられた。
 議員定数に関する特別委員長報告に対する討論では、委員長の「議案は否決、陳情は不採択」の報告に対し、各会派による討論が行われた。

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最初に討論に立った自民党・井川浩子議員は、「昨年の4定と今回の1定で4日間の審議を重ねたが、意見の一致を見つけられなかった。緊迫した財政状況の中で、議員定数削減で意見の一致をみず、今日の事態を迎えているのは極めて遺憾である。削減出来ないと市民の期待を裏切るだけでなく、議員の資質をも疑わせ、財政再建にも大きな影響もある。今からでも議案提案していない会派の賛同を求める」と、自民党の2減案に他会派が賛同を求める討論を行った。
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 共産党・北野義紀議員は、「議員定数は、市民の関心が高い問題である。多くの課題があり、定例会のわずかな時間の中では、審議を尽くせない。さらなる審議が必要であり、継続審議をして審議を尽くすことは合理がある。定数削減は、議員の権利の縮小であり反対。いずれの議案も継続審査を求める」と、継続審査を求めながら、この定数削減に関する新聞報道を取り上げ、「道新記事は議会の名誉を傷つけるもので一方的な報道は何をかいわんや」と、報道批判を延々と本会議で繰り広げるという異例の展開となり、「議案はいずれも否決、陳情は不採択」との現状維持を主張する討論を行った。

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 公明党・高橋克幸議員は、「本市の人口減、厳しい社会状況の中、議員削減が求められている中で、(共産党の)現状維持は理解出来ない。自民案の30人は根拠が無く、とても市民が納得出来る内容ではない。自民も削減については同じ方向にあり、市民の意向を汲み上げ大英断を」と、自民党に4減案への歩み寄りを求めた。

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 平成会・森井秀明議員は、「議員定数28人の根拠を示し、市民5,500名の陳情があり、市議会として判断する材料は整っている。市職員や市長が給与を削減している中で、議会として問われているのではないか。全国の10万から20万都市の議員定数は28人が多い。議員を減らしても行政のチェック機能が衰えないように、適正数を考えていかなければいけない。4減28人が適正数である」と、4減案に賛成の討論を行った。

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 民主市民連合・山口保議員は、「赤字を20億円も積み重ね、経常収支指数が100を切っているのは小樽市だけである。議会でもその責任を負うべきで、4減の議会の協力は当然である。いつまでも決着をみない状況は、市民や議会にとって不幸である。議長、副議長が中に入って、努力して決着すべき時期に来ている」と、早期の決着を促す討論を行った。

 討論のあと、採決に移り、まず共産党の継続審査について否決し、4減案の議案第44号と4減を求める陳情第82号とを無記名投票により採決し、賛成14・反対16で否決。2減案の議案第43号を賛成12・反対18で否決した。本会議場でのこの日の出席議員は、欠席した共産党・若見智代議員を除く31名だが、議長は採決に加わらないため30の過半数は16で、2減・4減のいずれの議案・陳情も過半数の賛成は得られなかった。
 4減案の賛成は平成会(5)・公明党(5)・民主市民連合(4)で、反対は自民党(12)・共産党(4)の14対16。2減案の賛成は自民党(12)で、反対は平成会(5)・公明党(5)・民主市民連合(4)・共産党(4)の12対18の構図となった。
 これは、昨年12月議会とまったく同じ結果であり、現状維持の共産党、2減の自民党、4減の平成会・公明党・民主市民連合との三すくみ状態の再現となり、結局、議会自らが市の財政危機に対応すべく決着を目指したが、今回も前回と同じく“空中分解”し、何も決められないまま、元の木阿弥に戻った結果となった。
 未曾有の財政危機にも関わらず、2回の定例会でも決着を付けられなかった“のんきな”市議会に対し、傍聴人もがっくり・うんざりの様子だった。
 「うんざりする。“バカヤロー”って言いたくなる。元議長の方からもお話を伺いましたけれど、半分でも十分だと言っていましたよ。自民党の人たちも会派ということで2減を提案していますが、本当は腹の中では4減にしたい人もいるはず。残念です」(花園・会社役員・77歳)。
 「この結果にがっくりです。引っ越したいくらい。何をやっているんですかね。市議会そのものが機能しているのだろうか。20人くらいで十分だと思いますよ。これで、小樽市の財政が豊かであればね話は別ですよ」(新光町・荒田茂夫さん・67歳)。
 「話にならないですよ。議会で出来ないなら、赤字再建団体に落ちればいいんですよ。最低4減ですよね。最悪の事態なんですからね」(豊川町・斉藤達雄さん・63歳)と、口々に市議会の不甲斐無い今回の結果に、さじを投げていた。

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