小樽の冬の夜空をろうそくがやさしく照らす「第8回小樽雪あかりの路」が、2月10日(金)から19日(日)までの日程で始まった。市内23会場では、スノーキャンドルやアイスキャンドル、雪のオブジェなどが思い思いに作られ、無数のろうそくの灯が瞬き始めた。
10日(金)17:00、大勢の市民や観光客が小樽運河浅草橋街園に集まり、オープニングセレモニーが行われた。観光協会の佐藤公亮会長が、「今日から19日(日)までの10日間、市内各地で雪あかりのイベントがあります。この10日間の祭りを立派に終わらせたいと思います」と挨拶。山田勝麿小樽市長は、「市内各所をスノーキャンドルで照らします。寒いとは思いますが、ゆっくり歩き回って見てもらいたい。今年も大成功に終わらせたい」とエールを送った。
オープニングセレモニーのあと、韓国人カップルの新郎の朴起泰(パクキテ・27)さんと新婦の趙考寂(チョヒョスク・27)さんとの「White Wedding in HOKKAIDO~誓いの運河 Wedding~」が行われた。二人は人力車で登場。ゴスペルコーラスをバックにワックスボールに点火し、会場から幸せいっぱいの2人に盛大な拍手が送られた。
運河会場では、スノーキャンドルが一列にずらりと並び、運河の水面には浮き玉キャンドルが輝き、ハートマークや船のオブジェなど、絶好の写真スポットも作られている。手宮線会場では、ボランティアによる懸命な作業で作られた、大きなかまくらやハート型のかまくらでカップルが身体を寄せ合ったり、子供たちは中に入って大はしゃぎしていた。会場名物のスノートンネルなどでも記念撮影の列が続いていた。
今年度の雪あかりの路は、イベントや参加会場も増え、旧手宮線も範囲を拡大し、多くの観光客や市民の来場が期待されている。10日(金)の午前中には、記録的な大雪となり、開催前に大量の雪が積もってしまった。準備した関係者の中からは、せっかく作ったオブジェの上に雪が積もってしまい、ため息などが漏れていたが、開催時には天候も落ち着き、無事開催出来てほっとひと安心という声が多かった。
運河会場の観光客の中には、「いや~本当にきれい」、「こんなに幻想的だとは思わなかった」などと話しながら、キャンドルの柔らかい灯りの路を歩いていた。大きなハートのオブジェなどでは、若いカップルが携帯電話で相互に写していた。
大阪から来た寺田英樹(32)さんと堀野文子(27)さんは、「初めて雪あかりの路を歩きました。雪のトンネルが本当にきれいでした。こんな大きな規模で行っているとは思わなかった。結婚式も良かったです。幸せそうでした」と、運河を背に記念写真を撮っていた。
この3月で長い歴史に幕を閉じ閉校となる堺小にも雪あかりの路が作られ、父兄や子供、先生たちが名残りの記念撮影を行っていた。
雪あかりの路の始まりで、市内の各所は、この10日間、一斉にやさしいキャンドルの灯りで包まれる。