市内にあるカラフルな消火栓1,563基が、雪に埋まり、市内各所にある消防署や出張所・支所の職員が、連日大雪と格闘し、除排雪に懸命に取り組んでいる。
小樽市内各所で雪に埋まる消火栓は、赤・青・黄の1,563基、防火水槽は120基。「いざ」という時のために、市内9ヵ所にある小樽市消防署、銭函・手宮支署、花園・朝里・長橋・塩谷の出張所、手宮支署高島支所・塩谷出張所蘭島支所の1署・2支署・4出張所・2支所が、消防車1台と4名の消防職員を1班として、消火栓と防火水槽の除雪を手分けして行っている。
1月26日(木)の11:00頃には、花園出張所の4名による職員の手で、市役所裏の消火栓の除雪作業が行われていた。かいてもかいても積もる雪に、職員らは「明日はやらなくていいべ」などと、スコップで懸命に雪かきしていた。黄色いジャケットを羽織り、消火栓の周りに積もった雪を一挙にすくい上げ、消防活動で鍛えられた身体で投げ飛ばす。
消火栓と防火水槽の除雪の際には、覆管と呼ばれる、水が噴出すところにホースがしっかり取り付けられるようにしなければならない。そして、その作業をする人間が入るスペースをも作らなければならない。
この日は、風は強く吹いたが、降雪はなく、5分程度で作業は終わった。あっという間に、黄色い消火栓が雪の中から出てきた。「サラサラ雪であれば、2、3分で終わるが、重たい雪になると大変。10分以上はかかる」という。今冬は大雪が多く、毎日の業務の合間を見て、この除排雪作業に出動。市内に散らばる消火栓と防火水槽の除雪に、降り止まぬ雪で、消防職員らは「イタチゴッコだよ」とため息を漏らす。
雪山に埋まる消火栓や防火水槽などを見つける場合、消火栓であれば、付属している金具に差し込まれている塩化ビニール製の約3mのポールやそのポールについてる赤い標識などを目印にしている。防火水槽の場合は、単独で同じ性質などのポールが目印として立っている。
市消防本部警防課・土居幸治消防士長は、「各地域に配属している職員は、各地域の消火栓等の位置を勉強しておよそ頭に入れている。何町の何丁目に出動する場合は、サイレンを鳴らしながら、どこの物を使うか考えている」という。
今冬の大雪で、消火栓の掘り起こし作業はまだまだ続き、雪国の消防の宿命となっている。消火栓の除排雪が終わると、今度は家に帰って自宅の除排雪が待っている。