小樽市職員の“福祉除雪大作戦”始まる!


 普段は役所の事務机に座り、鉛筆片手の小樽市職員が、長靴に防寒着に身を固め、スコップで高齢者宅の除排雪に初挑戦する小樽市の“福祉除雪大作戦”が、1月16日(月)から始まった。
 大雪で埋まる小樽市内には、高齢者が多く、家の周りや屋根の除排雪がままならず、家に閉じ込められることになる。小樽市役所では、記録的大雪に対処するため、大雪対策本部を設置していた。これにより、これまで業者発注やボランティア頼みだった高齢者宅の除排雪を、市職員自らが行う体制を取った。
 市は、除排雪が困難な高齢者やひとり住まいの高齢者など、福祉除雪の登録者約400世帯のうち、除排雪の要望が来ている世帯に対し、1月16日(月)から27日(金)までの土日を除く10日間、市職員による福祉除雪を始めた。
 作業の内容は、「戸口から公道までの幅約1mの通路確保」と「屋根から下まで雪が埋まっている場合、窓から光が入るくらいまでの窓付近の除雪」、「手の届く範囲でつらら、雪屁などの除去」をする。初日の16日(月)は、シャベル、スノーダンプ、ソリなどを使用して、1世帯に対し職員5人で、午前・午後あわせて16世帯を80人体制での作業を実施した。
 財政部資産税課(高谷研司課長)の班は、16日9:30、富岡1丁目でひとり暮らしをする齊藤玲子(79)さん宅の「玄関前通路の確保」の作業を行った。公道から自宅までは約30mの坂道となっており、職員らは、老人にも上り下りしやすいように玄関から順次、階段を作っていった。大雪が降りしきる中、雪に埋まっていた灯油タンクも掘り出したりと、汗を拭いながらの慣れぬ作業となった。
 斎藤さんは、「本当に良かった。ドアも開けられなくなったりするの。本当に大変なの。除雪してもらって安心した」、と家の前に降る雪を見ながら話した。高谷課長は、「そのお宅に来てみないと、どのくらいの雪の量か分からないところが苦しい」と、また降り積もる雪を見ながら話していた。
 「福祉除雪の登録者は約400件。登録者の半分は自分たちで対応しているが、もう半分は福祉除雪協議会に除排雪の要望をしている。このため、協議会への要望が溢れ、対応出来なくなった分を、市職員がカバーする。しかし、オーダーはまだまだ増えると予想している」(総務課・鈴木文貴主査)。
 市職員による福祉除雪大作戦は、16日~27日(土・日除く)9:00~12:00、13:30~16:30を予定としている。

 除雪サービス