小樽市役所(山田勝麿市長)の2006(平成18)年度予算編成作業が進み、17日(火)から19日(木)まで、各部課の作業を精査する、市長ヒアリングが始まった。
この中で、2005(平成17)年度に2年連続の赤字当初予算で3.9億円だった赤字額は、最終予算では、赤字はさらに拡大し、トータルで20億円にも及ぶことが明らかにされた。同時に、2006(平成18)年度予算編成では、15億円に上る財源不足が明らかになり、3年連続での二進も三進も(ニッチモサッチモ)いかぬ小樽市財政の窮状が、更にくっきりと浮かび上がった。
山田市長は新年度予算編成で、「財源がどうなるかが一番心配だ。一般財源が厳しい中での予算編成なので、これから細かい部分を精査しながら、2月10日頃までに固めていきたい」とした。
2005(平成17)年度の最終予算は、当初予算で3.9億円の赤字予算を組み、2004(平成16)年度の繰上充用をしたため、昨年末の時点で約12億円の赤字となった。更に税収が厳しく、交付税の減収や除雪費の補正で、赤字はトータルで20億円に膨らむことになった。
2006(平成18)年度予算について、歳入では、一般財源の落ち込みや人口減の影響で、更に厳しくなり、歳出では、削減努力を引き続き行うが、今までも削るに削ってきているので、一般財源の落ち込みを吸収するほどの大幅改善は難しいとした。更に、財源不足が15億円になっていることも明らかになった。
この厳しい財政状況で、主な事業は、継続事業が中心で新規事業はきわめて限られたものとなっている。2006(平成18)年の建設事業では、オタモイの市営住宅2号棟、手宮の機関庫の保存工事、学校の赤水対策の解消、下水道施設の更新事業、北後志ごみ処理広域連合の焼却施設の完成などを挙げた。
財政再建プランの実施計画は、予算を踏まえ2月中には示したい。この中で、これ以上赤字を増やしたくないので、なんとか単年度黒字の収支均衡予算にもっていきたいとした。
2006年に任期も残すところ1年余りとなった、2期目の山田市政にとって、財政再建は公約に掲げてきたが、更なる赤字の大幅拡大で、財政再建もままならないで、このまま推移すれば、市長を見る市民の眼が更に厳しくなり、山田市長がピンチを迎える局面も予想される。