市税の滞納者が、やっと工面して分割納付する金を、集金の際に、伝票を操作して横領・着服したネコババ職員(納税課)は、なんと自治労小樽市役所職員労働組合(市職労)のレッキとした2期目の執行委員長だったことが12月28日(水)に判明し、市役所にはダブルショックが広がっている。
市職労は、市の一般職の大半は加盟して組織する労働組合。市役所本館の市議会議場に隣接する3階に事務局を構え、専従者を置き、市役所内で隠然たる力を誇示する組合。これまで、労働条件の改善を巡り、市幹部たちとの直接交渉を何度も繰り返し、その要求を実現するよう、時限ストライキなどを構えるなどをしてきた。
この執行委員長(男性・43)は、2004年11月に執行委員長に選ばれ、2005年11月から2期目に入っていた。2003(平成15)年6月から納税課に配属され、市税の収納事務を行っていたが、今回、一見ケチなネコババ事件を起こし、12月21日(水)から行方不明となり、懲戒免職処分され、刑事告訴も予定されるなど急転直下の展開を見せている。
市職労の関係者は、「執行委員長になるんだから、それなりの能力はあったが、裏切られたことになる」とがっくり肩を落としていた。
同納税課員(執行委員長)は、市税滞納者が分割納付する集金事務で、伝票を操作するために、常時カバンに偽造用のカーボン紙を入れていたという。時にはわずか500円をネコババするというみみっちさで、市の幹部も、「昼飯代にでもしたのか」と首を傾げる。着服金額が21万500円と端数が出ているのは、このためだ。
年末に降って湧いた納税課職員(市職労・執行委員長)による市税のネコババは、市役所に激震を与えている。関係部課では、年末に予定していた忘年会をすべてキャンセルした。このため、市内の飲食店街にも少なからず影響が及ぶことになった。
財政破綻で二進も三進も(ニッチモサッチモ)いかない小樽市役所が、それを支える職員のリーダーによる市税着服で、市職員のモラルも地に落ちた感が強い。