建立107年。一世紀にわたって小樽を見守ってきた住吉神社(住之江1)入口の大鳥居が、一世紀ぶりのお色直しを行った。新年を迎えることもあり、12月20日(火)、21日(水)の2日間で、100年以上もの長い間蓄積された汚れが、タワシでゴシゴシと洗われ、100年前の顔を覗かせた。
この大鳥居(第一鳥居)は、1898(明治31)年に、大富豪で北前船の船主であった広海二三郎と大家七平の2人が、船1艘を買い上げて、広島県尾道から運んで住吉神社に寄品した。明治初頭、北海道の開拓が始まり、多くの開拓移民が移住してきた。北前船は、大阪と小樽の往復の間の寄港地で商売をしていた。
このため、「海運の安全祈願と商売繁盛を願い、小樽一の住吉神社にこの御影石の鳥居を寄品した。豪華なものを寄品するにあたり、神のご加護を得る。そして、二人の力を誇示するため」(土屋周三・博物館長)と言う。
清掃業者は、外壁用洗剤を使用して、タワシでゴシゴシと磨き、「100年以上のものと聞いて、本当にびっくりしました。100年の汚れは簡単には取れませんよね」と、鳥居に染み込んだ汚れを次々に落としていった。
同神社の星野昭雄宮司は「お正月に合わせ、すがすがしい新年を迎えられるように洗います。先人たちが残した思いを大切にしていきたい。我々が残して、語り継いでいくのが使命だと思う」と、新年を迎える準備を急ピッチで進めている。