開会中の12月市議会(第4回定例会)には、議員定数の削減を目指す「議員定数条例の一部改正案」の2議案が提出されており、議員定数削減が注目される中、12月20日(火)13:00から、「議員定数に関する特別委員会」(松本光世委員長)が開かれた。
会場となった市役所別館の第2委員会室では、議員提案による定数削減論議のため、理事者席に提案者が座り、各委員と向かい合っての質疑が行われた。小樽市議会では、市の危機的財政状況に呼応して、議会自らが襟を正すために、議員定数の削減が最後の課題として残っていた。
小樽市議会では、先に議会として自主的に財政再建に取り組む、「財政再建に関する小樽市議会検討会議」(座長・佐野治男副議長)で、8回にわたり、議員報酬や視察旅費、費用弁償、政務調査費などにつき、各会派の一致をみて若干の引下げがなされた。しかし、最も削減効果が大きく、財政に寄与することが出来る議員定数(32)削減については、各会派の意向は大きく割れ、“空中分解”のまま、最終報告がまとめられた経緯があった。
議員削減について“空中分解”となっていた各会派の主張は、当初、議員報酬引下げに自・公・共が反対し、定数削減には自・共が反対するという、珍しい自共・共同戦線を取る格好となっていた。しかし、その後、定数削減については、共産党が32人の現状維持を強力に主張し、一貫して削減反対の態度を示していたのに対し、自民党は当初の削減反対から2減までなら応じるとの及び腰の対応に転換した。これに対し、平成会は、当初から一貫して報酬の総額引下げと議員定数の4人減を主張していた。
このため、平成会は、12月市議会(第4回定例会)に、空中分解にしたままになっている議員定数削減を議題とすべく、現状32人を4減して28人にする「小樽市議会議員定数条例の一部を改正する条例案」を他派に先駆けて、議案第24号として提出した。自民党は、これに続いて議員定数の2減案を議案第25号として提出した。
開会中の市議会での議員定数削減論議が、俄然注目されることとなり、市議会では、共産党の反対を振り切り、「議員定数に関する特別委員会」を設置し、20日(火)と21日(水)の2日間で、この議員削減論議を行うことにしていた。
議員定数削減に対する市議会各会派の意向は、平成会(5)・公明党(5)の4減案に民主市民連合(4)も賛意を示し、4減が14人と最大公約数となった。これについで、自民の13人は2減を主張。共産党の5人が0減の現状維持を主張。議員削減が4減か、2減か、0減かの帰趨が注目されるものとなった。
20日(火)13:00から開かれた特別委員会では、4減(平成・公明)と2減(自民)を主張する議案提案者と対峙した現状維持を主張する共産党との論戦が行われた。
共産党は、「市民が減らしたいと言っている声はどこにあるのか。減らせば減らすほうが良いという議論に進めば、議会としての自殺行為となる。議員数を行革の対象とするのは反対。市の財政が苦しくなったのは、国の責任で、小樽市の議員定数を削ろうとするのは理解出来ない。現状の32がちょうど良い」と主張。4減を提案した平成会・公明党、2減の自民党と質疑を重ねた。しかしこの日は、4減か2減か0かの各会派の主張が噛み合わず、それぞれの党利党略が前面に出て、議会自らが市民と痛みを共有する姿勢が見られず、傍聴者の不満を買っていた。
市内赤岩から傍聴に来ていた主婦(66)からは「一般の市民の声を聞かない、市民感情からかけ離れている質疑だった。もっと真剣に論議してもらいたい。自分たちだけが良い思いをしないで。景気が良い時は良いが、悪い時は減らして下さい。25人でもいいのでは」という厳しい声が残った。