小樽メルヘン交差点の“動物園”が消えた!


 観光スポットとして知られている小樽堺町通りの「からくり動物えん」と「ぎやまん倉庫」が営業していた、古い木骨石造の建物を取り壊し、現在、建て替え工事中だ。(写真左が現在建設中、写真右が営業当時)
 土産店「からくり動物えん」(堺町6)は、店の前で3匹のかわいいクマがギターや太鼓などの楽器を持って、観光客を集めているのがよく目についていた。
 この土産店は、株式会社小樽オルゴール堂(柳田春義・代表取締役社長)が経営。「動物園」のような店内で、世界各地から輸入したたくさんの種類の動物雑貨が並んでいた。2階スペースには海の動物をテーマにした雑貨を中心に、北海道限定グッズや限定品も扱い、動物好きの子供の人気スポットになっていた。
 「からくり動物えん」と「ぎやまん倉庫」が営業していた、この古い建物は、1893(明治26)年の木骨石造2階建て、1・2階延べ540平方メートル。回漕店を営んでいた板谷吉次郎商店の建物だった。小樽の街並みを造っている歴史的な建造物の中でも、特に古いものだったという。このため、壁面の一部にモルタルで補強などをして、外観からはあまり歴史的な建物とは見えないものとなっていた。
 古い建築物が多い小樽市内の中でも、特に古いといわれる、この100年の歴史を持つ建物は、「色々な補強もしていたが、これ以上耐え切れない」と取り壊し、新しく建築することに決めたという。現在、建築中の建物は、2階建てで、延べ460平方メートル。周りと調和がとれた建物にするため、メインカラーはレンガ色、一部に小樽の石造りをイメージした灰色を使う。建物の完成は来年の2月28日の予定。
 株式会社小樽オルゴール堂(柳田春義・代表取締役社長)が、この建物を所有する旭食品販売株式会社(中山雅章・代表取締役社長)から借りて、動物のぬいぐるみなどのグッズを販売する「からくり動物えん」と、ガラス商品などを扱う「ぎやまん倉庫」の2店を営業していた。「新しい建物でも引き続き営業しますが、まだ、どのような店にするかは決めていません」と話す。営業開始は、来春4月の予定。