「こらっ!金だせ!」と、年末の郵便局に飛び込んできた強盗犯。手には拳銃を持ち、金を要求する犯人に対し、沈着に対応する郵便局員。強盗犯に向かってカラーボールが投げられた。
小樽警察署の協力により、小樽郵便局と市内特定郵便局の合同「強盗模擬訓練」が、12月6日(火)16:10、小樽花園郵便局(花園4)で行われた。
道内では、平成16年度の強盗事件はたったの2件だったが、今年度は11月末までですでに7件が発生。そのうち4件が郵便局であった。
この訓練は、金融機関を狙った凶悪な強盗事件が多発しており、これからも年末にかけ更に発生する傾向が懸念されることから、職員の訓練を兼ねて実施した。
薄暮となった16:10、頭に手ぬぐいを巻き、黒いサングラスをかけた小樽警察署・夏目浩樹巡査部長が演じる強盗犯が現れた。第一声に「こらっ!金だせ!」と、窓口にいる職員に、拳銃を片手に脅かした。
対応したのは、小樽花園郵便局・池田光春局長。「はいすいません。現金はもう金庫の中に入れてしまって。すぐにお持ちします」と、冷静に対応した。その後、少しずつ金を渡していき、金を掴んだ強盗犯は一目散に逃走。職員たちは、逃走する犯人にカラーボールを目印のため投げつけて、模擬訓練は終わった。
小樽警察署・荒木敬大警部補は、「まずは落ち着くこと。被害を最小限にすることを考え対応してもらいたい。現金を少しずつ渡し、犯人に『現金を巻き上げた』という心理にしてほしい。時間をかけ、絶対、犯人に刺激を与えないことが重要」と話す。
池田局長は、「練習と知っていても、怖かったです。今日の訓練がスタートなので、これから職員みんなで話し合って、お客様の大事な財産を守っていきます」と、年末に向けて気を引き締めていた。