小樽市にも耐震偽装見過ごし会社(ERI)の影!


 姉歯建築士による耐震構造計算書の偽造事件が、大問題となっている中、この偽装構造計算書を見逃していた民間指定確認検査機関・日本ERI株式会社(東京港区)の影が、小樽の街にも及んでいることが明らかになった。
 日本ERI株式会社(鈴木崇英社長)は、姉歯建築士が偽造した構造計算書を見逃して、確認を下ろしていた会社。11月17日に国土交通省がこの事件を発表。同社は、11月29日、国会で参考人に招致され質疑は全国にTV生中継された。12月8日には、国交省の立入検査を受けている、まさに疑惑の渦中にある会社。
 市は年間約700件を越す建築確認を下ろしているが、ここ数年、小樽市でも民間検査機関が建築確認を下ろす件数が、次第に増加している。この3年間で、民間検査機関には、市内での建築確認が95件あった。このうち、日本ERI社は、大部分の92件に関わったという。
 構造計算の偽造を見逃し放置した検査機関として、失格の同社が関わった物件は、市内にも約100件近くを数えていることが、市民に大きな不安を抱かせる材料となっている。
 このため、開会中の12月市議会(第4回定例会)13日(火)の本会議の一般質問でも、「マンションの建築確認審査について」(山口保議員)、「強度計算の偽装について」(吹田友三郎議員)、「耐震強度偽造問題について」(新谷とし議員)の3氏により取り上げられた。
 日本ERI社は、現在、小樽運河沿いの景観形成地区に隣接して建築中の高層マンションにも関わり、建築確認を下ろしている。
 現在、15階建て高さ44.6mの高層マンションの基礎工事が真っ最中だが、現場管理者も、注がれる疑惑の目の大きさに困惑を隠せないでいる。
 小樽市では、現在、姉歯が関わった物件はないとしているが、偽装が見つかった場合には、国や道の精査に応じ対応していく(山田市長)としている。