議員定数削減を論議していた小樽市議会の「議員定数に関する特別委員会」(松本光世委員長)は、21日(水)13:00から2日目の会議を開き、議員提案の4減と2減の2議案を共に否決し、市民から出ていた4減を求める陳情を不採択とした。このため、12月市議会(第4回定例会)の最大の課題であった議員定数削減は、“空中分解”し、決着は来年に持ち越されることになった。
4減か2減か0か。小樽市議会が市の財政危機に自ら襟を正して対応すべく、議員定数の削減を目指していた同特別委は、削減に強く反対し現状維持の32を主張する共産党の抵抗で、会議時間を延長し夜間議会に突入。19:30からようやく採決に入った。
この結果、32の定数を4減し28とする平成会・公明党の2会派共同提案の議案第24号と2減し30とする自民党の議案第25号は、起立採決の結果、共に賛成少数で否決された。また、4減を求めた陳情第74号も不採択とした。これは、同特別委の構成が、自民5、共産2、公明2、平成2、民主1の定数12名で、2議案・1陳情のいずれも、賛成が過半数に達しなかったことによる。
4減(平成・公明・民主)か2減(自民)か0(共産)かの三すくみ状態に陥った結果だが、これはこれまで自民・公明の与党体制が、議員定数削減で分裂したことが大きく作用した。「これまでずっと一緒にやってきたのに」と自民議員が公明に対する嘆き節を語る一幕もあった。
三すくみ状態で“空中分解”の結果となった特別委の否決は、26日(月)の本会議で改めて採決されるが、市議会32人の会派構成(自民13・共産5・公明5・平成5・民主4)からも、このままの追認されることになると見られる。
議員定数削減を論議してきた「検討会議」に続き「特別委員会」も“空中分解”したことで、自ら襟を正すとした議員削減は、振り出しに戻る事となった。
当初より4減を主張してきた平成会の大橋一弘代表は、「今回は否決されたが、われわれの4減の主張が市議会の最大数の支持を集め、市民に広く議員削減の問題を訴えられたことで、当初の成果を挙げたと考えている。次の議会にも議案を提出し、他の議員の理解を求めていきたい」としている。
しかし、2減を主張する自民13議員と削減に反対し現状維持を執拗に主張する共産5議員の動向が変化しない限り、三すくみ状態が続き、現状は何も変わらないことになる。来年は、市議会議員選挙まで残り1ヵ年を迎える。街のあちこちに新人候補者の連絡事務所の看板もちらほらする中で、自ら襟を正す事も出来ない市議会議員には、これまで以上に、厳しい市民の目が注がれることになろう。
◎関連記事
◎議員定数削減に対する全市議会議員の動向一覧 |
||
◇4減を主張する議員(14名) 平成会 公明党 民主党・市民連合 |
◇2減を主張する議員(13名) 自由民主党
|
◇現状維持を主張する議員(5名) 日本共産党
|