小樽の皆さんさようなら!ラッコ水族館へ旅立ち!

写真提供:おたる

 「小樽の皆さんさようなら!」、5年間、おたる水族館(祝津3)の入館者たちを楽しませた、アラスカラッコのトマト16才が、小樽から静岡へ旅立つ。
 11月27日(日)を最後に、冬季休館になるおたる水族館で、アラスカラッコのトマト(メス)は、繁殖の可能性もあるとして、今期限りで静岡県沼津市の「伊豆・三津シーパラダイス」に譲ることになっている。
 このため、来年度の同水族館には、ラッコ館からトマトは消え、ジェンツーペンギンやキングペンギンが移る予定だ。
 2000年10月20日に、登別マリンパークニクスからやって来たトマト。最初は、リンタロウ(オス)、ミリン(メス)、ヒロコ(メス)の3頭の仲間と仲良く楽しく過ごしていた。当時リンタロウは、ラッコの平均寿命の17、8才だったため、トマトが来てすぐに死んでしまったという。その後、リンタロウの娘のミリンは、他の水族館へ移動され、2頭のみとなってしまった。しかし、唯一の仲間のヒロコも、おととし、寿命で死んでしまったため、約2年間、トマトはひとりぼっちだったという。
 「トマトは、おととしからひとりぼっちなんです。ラッコはすごく神経質な動物で、ちょっといつもと違う動きをするだけで、逃げ回って落ち着かないんですよ。カラスが屋根に降りた時の音『カサッ』だけでも、怯えてしまう本当に弱い動物なんです。今回も、繁殖の可能性も理由ですが、他の仲間がいる場所でトマトが元気良く生活してほしいってこともあるので、移動するんですよ」(村上順二・海獣飼育第一課主任)と、トマトの移動に寂しそうに話す。
 おたる水族館の人気者、トマトを見ることが出来るのはあと3日間だけ。