上段写真提供:小樽市博物館 |
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熱帯の暖かい海からはるばる北上し、小樽までやって来た珍しい不思議生物、タコの一種のアオイガイが、小樽の銭函や蘭島の海岸に流れ着いた。
白い美しいアオイガイの殻が、小樽の海岸に大量に流れ着くことは非常に珍しいことだという。漂着したのは、10月中旬から下旬にかけ、銭函や蘭島など小樽の海岸で約100個もの大量の数が確認された。
晩秋から初冬にかけて日本海を北上し、再び南下することなく、すべて死んでしまう片道だけの旅の果てに、小樽の海岸に漂着した。今年は日本海の海水温が高いことが確認されており、その影響でアオイガイが例年になくたくさん北上したという。
小樽市博物館では、この漂着したアオイガイを採集し、殻と本体の標本を展示する「タコがつくった貝殻―不思議生物アオイガイ」が、11月12日(土)から12月2日(金)まで同館第一展示室で開催している。
アオイガイ(カイダコ)とは、熱帯から暖帯の海に暮らす生き物。メスの体の長さは40cm前後、殻の大きさは20cm以上になることもある。8本ある足の1本から石灰質を分泌して殻を作り、その中に卵を産み付ける。メスが作る殻は、身を守るだけでなく、卵を育てる道具の役割にもなっている。
企画展示は、小樽の海岸で採集したアオイガイの殻と珍しい本体の標本を展示。解説パネルで、この珍しい不思議生物の実態を解き明かしている。
同館・山本亜生学芸員は「『波打ち際に落ちている』と銭函から連絡があって、早速現地に行って20個を採集してきた。こんなに大量に漂着するのは珍しい」という。
殻は強く握るとすぐ壊れてしまうような軽いプラスチックみたいなもので、博物館では「やさしくさわってみよう」と、実際にこのアオイガイに触れることも出来る。
三重から観光に来た犬飼末男さん(57)は「すごいですね。これは本当に珍しいですね。初めて見ました。今日来て良かった。本当に運が良いかもしれない」と興奮気味に殻を触っていた。
企画展示「タコがつくった貝殻―不思議生物アオイガイ」は、小樽市博物館第一展示室で、11月12日(土)から12月2日(金)までの9:30~17:00。大人300円、高校生・市内高齢者150円、小中学生入場無料。