甲高い汽笛が響き、黒煙がたなびく小樽駅。秋の後志路を駆け抜けるSLニセコ号の運行が、9月の3連休からスタートした。
札幌―小樽―ニセコへと運行する、JRのSLニセコ号のスタート。9月23日(金・祝)から11月6日(日)まで、延べ15日間、土日・祝日を中心に、秋の紅葉で彩られた函館本線の沿線を、秋色を求めて黒煙を吹き上げながら進む。秋の恒例のSL運行が始まった。
SLニセコ号の車内は、昭和初期のデザインで、ニス塗りの重厚さや木枠の椅子を再現。各車両には、ランプが取り付けられ、明るい光が包み、紅葉などの造花で秋を匂わす。カフェカーでは、昭和初期の女給さん姿の売子が、SLグッズ販売に精を出していた。
千歳の高橋理恵さん(31)は、「去年、満席で乗ることが出来なかったので、今年乗れたことが本当にうれしい。車内はレトロな感じで素敵。走っている時は多少の揺れもあるけれど、今の電車より速度がゆっくりで、景色を見ながらのんびり出来る。また来年も乗りたい」、娘の花佳ちゃん(9)は、「楽しかった。また乗りたい」と、SLを前から後ろまで見ながら、ホームを歩き回っていた。
23日(金・祝)、24日(土)とも満席となったSLニセコ号は、9:58、小樽駅に高い汽笛を響かせ、満員の客を乗せて、黒煙とともにニセコ路へ向かった。