自分の名前がリンゴに浮かぶ140個ものシールリンゴが、青森県南津軽郡から小樽市立西陵中(富岡2)に届けられ、9月29日(木)10:00から、同校の文化祭で伝達式が行われた。
丹精込めて作ったシールリンゴを届けてくれたのは、青森県南津軽郡尾上町の農家や町民たち6名。尾上町と西陵中との繋がりは、同校が実施している1泊2日の農村宿泊体験活動の縁による。
今年の6月、西陵中3年生71名が見学旅行の一環で、尾上町の18軒の農家での農村生活や農作業を体験した。その体験の中で、生徒がホームステイ先で自分の名前、メッセージなどを書き残したシールが、農家の人たちの手で大きく育だったリンゴ140個に貼られた。
シールリンゴには、生徒の名前が多く見られ、太く書かれたものは、はっきりとリンゴに写され、細く書いたものは、少しぼやけてしまっていたという。見学旅行を担当した青柳由美教諭は、「シールを剥がすことが分からなかった生徒も中にはいた。剥がした後、自分の作ったリンゴに、シールが色抜きされていてびっくりしていた」
シールリンゴ伝達式では、各班の代表生徒はステージの上で、「とてもいい思い出になりました」、「天気も良くて気持ち良かった」、「2日間とても楽しく過ごすことが出来ました」、「大変良い思い出になりました」、「最初は農作業に戸惑っていたけれど、慣れてきたら夢中になって作業していました」、「初体験のことばかりで楽しかったです」、「また、会いたいなぁ」と、体験談や感想を写真のスライドをバックに発表した。
同中学校で行われている農村宿泊体験活動は今年で2回目。食事の準備、食後の団欒、布団敷きなど、家族の一員のように接してくれた農家の人たちが、進んで140個ものシールリンゴを届けてくれたことに、生徒からは大きな拍手が送られていた。
特別非営利活動法人・尾上町蔵保存利活用促進会の佐藤正彦常務理事は、「生徒のみんなは、初めて対面する入村式の時は、皆不安な顔をしていた。『学校では見せたことがない表情だった』と聞いた。生徒たちを、お客さんとして扱わず、農村の生活を体験してもらうので、全てが新鮮だったと思う。たったの1泊2日でも、ホームステイの家族たちともすごく親しくなれる。観光だけでは感動は生まれないけれど、農村を通じて人と触れ合い、感動が生まれる。ファームステイは心の教育であると思います。離村式では、涙・涙の感動フィナーレで私も感動しました」と、当時の感動を込めたシールリンゴを、西陵中学校に“配達”出来たことを喜んでいた。
来年度もまた、3年生が農村の生活や農作業を体験することになり、真っ赤な青森リンゴに生徒たちの様々な思い出が刻まれる。