小樽市議会(中畑恒雄議長)に4月に誕生した、5人の議員の参加による新会派「平成会」が、市議会の構成に大きな変動をもたらしている。これまで2人ずつの弱小2会派と自民党を見限っての1議員の参加による合併効果がまざまざと出ており、市議会にこれまでにない新風が吹き始めている。
5月27日から30日までの4日間の日程で開かれていた小樽市議会第1回臨時会では、5人の新会派「平成会」の届出を受け、議会構成に大きな変化がもたらされた。まず、本会議場の議席配置が変わった。3人以上の会派でなければ参加を認められなかった議会運営委員会も、これまでの9人から3人増員され12人となり、平成会2、自民1が割り振られた。これにより平成会は、議会運営の要の委員会でも、第2会派としての扱いを受け、その存在を確かなものとした。
また、4常任委員会のうち経済常任委員会で委員長、市立病院調査特別委員会で副委員長を獲得。全委員会にも委員を出せるようになったほか、議案に対する代表質問権や議案提出権も獲得し、これまでの弱小会派から一気に、政治の世界での数は力の合併効果を味わっている。◎関連記事
議会での重要ポストを占めた以上に注目されるのは、他会派と際立って異なる、議員報酬や定数削減に対する明確な態度だ。 「平成会」は、財政危機の中、市議会自身が迫られている、定数削減や議員報酬の引き下げに積極的に取り組むとしており、議会費の総計で10%位の経費削減を、議員定数と連動させ、定数を4人削減して、数字をはっきり出すべきと主張。この点で及び腰の自民・公明・共産とははっきりと一線を画している。
これは平成会が無党派市民層の声の代弁者として、市民に向いた政策集団を実現したいとしていることに起因している。議会での発言から、自・公・共との政策面での違いが次第に明確になりつつあり、市議会に新風を送り込み始めている。未曾有の小樽の財政危機の中、この新会派が市民の支持を得られるかは、今後の具体的な取り組みが何処まで出来るかにかかっている。