道内最大手のデパートを運営する、株式会社丸井今井(本社・札幌市、柴田哲治社長)は、経営危機から、伊勢丹の傘下入りでの再建を目指すことなり、不採算店として小樽店など3店の閉鎖を決めたと先に報道された。この報道で、丸井今井小樽店の閉鎖は死活問題だとして、同小樽店など28店舗が参加している地元のサンモール一番街商店街振興組合(荒野尚之理事長)は、6日(金)13:00から小樽店営業存続要望の署名活動を始めた。
丸井今井小樽店(稲穂1)は、1891(明治24)年創業の小樽の老舗百貨店。市内の中心商店街にあり、長年にわたり、丸井今井ブランドとして市民に「丸井さん」として親しまれてきた。何でも揃う小樽唯一の百貨店として、小樽中心商店街の中核店舗としての役割を担っていた。
しかし、丸井今井グループの経営破綻が明らかになり、経営再建を模索する中で、本州資本の伊勢丹の傘下入りが決定的となった。これにより、不採算店として、小樽、苫小牧、釧路の3店を閉鎖する方針となった。ちょうど創業115年の小樽店は、5月11日から17日まで創業115年大創業祭を実施することにしており、店の入口では、営業存続要望の署名活動が展開されるという皮肉な結果となった。
署名活動には、サンモール一番街商店街振興組合の組合員が揃いの法被で、道行く人に署名を呼びかけた。署名に応じた主婦は、「丸井さんには、子供の頃からの思い出がいっぱい詰まっており、閉店だけは、なんとしてでもやめて欲しい。署名位で閉鎖されないならいくらでも署名してあげる。」
同組合の荒野理事長は「丸井今井とともに発展してきた商店街として、丸井今井が抜けるのは、死活問題だ。営業存続を要望するための署名運動を各イベント等でも繰り広げ、なんとしてでも中心商店街の空洞化を避けたい」と懸命だ。
同組合では、署名集めの目標を20,000人としており、集まり次第、営業存続の要望書を丸井今井本社宛に提出することにしている。
丸井今井小樽店の閉鎖は、売上げの減少や他の大型店との競合での生き残り策などの構造的問題を孕んでいるだけに、署名運動だけでストップさせられるかに疑問符をつける人も多く、今後の展開が注目される。
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