母さんアザラシ |
昨年生まれた 姉さんアザラシ(右) |
「お母さん、ボクを捨てないでよ!」昨日生まれたばかりのオスのゴマフアザラシの赤ちゃんが、悲痛な泣き声を上げる。
3月19日から今年の営業を始めた、おたる水族館(祝津3)で、4月4日(月)14:55にゴマフアザラシの赤ちゃん(オス)が誕生した。しかし、この赤ちゃんを生んだ母親アザラシは、オッパイをあげないどころか、赤ちゃんに何の関心も示さず放り出したままで、自分の子であることを認識していないのではないかという状況となった。
このため、同水族館の飼育部では、赤ちゃんアザラシを海獣公園事務所に保護し、人工飼育による子育てに挑戦中だ。
カゴに入れられた赤ちゃんアザラシは、元気な声をあげているが、ミルクをやってもちゃんと飲んでいるか判らない状態で、飼育員たちを心配させている。
「通常は、子供を生んだ親は、子の面倒を見るが、今回はオッパイをやらないし、赤ちゃんの心配もしないので、事務所内に移した。ミルクをうまく飲んでくれればひと安心だが、順調に飲んでくれるかどうかが判らないので、無事に育ってくれるかどうか、今のところ判らない。現在は生まれたばかりで元気が良いが、この2、3日の間の様子が心配。こんな状況で一般公開が出来なくて残念だが、最初からミルクを飲まない赤ちゃんアザラシを飼育するのは初めての経験で、夜中もずっとついていて見守ることになると思う」(村上順二・海獣飼育第一課主任)と、人工飼育に挑戦中だ。
この母親アザラシは、昨年にはメスを生んでおり、その時は面倒を見て順調に育っている。
お母さんに捨てられた赤ちゃんアザラシが、母親と姉のいるプールに帰る日はくるのだろうか。