桜前線の北上で、満開時期を迎えた市内の桜に、異変が起こっている。ソメイヨシノの花付きがきわめて悪く、満開のないまま葉桜に変わっている。
市内の桜は、天候の影響で開花が遅れ、満開時の花見も1週間から10日ほどずれ込み、ゴールデンウィーク明け週末の5月8(土)・9(日)が、絶好のお花見日和となり、市民も各所に繰り出した。
ところが、今年の市内の桜の咲き方がおおいに変だ。エゾヤマザクラは、例年通りの満開の花を見せているが、ソメイヨシノの花は、例年とはまったく違い、一分から三、四分咲きで、満開には程遠い。ソメイヨシノが多い手宮公園や水天宮、平磯公園、小樽公園、南小樽駅、花園橋などは、花付きが悪く、すでに葉桜へと変わっている。
ソメイヨシノの花が一面に木を覆う満開時のあの見事な姿は、今年は見られないところが多く、淋しい限りだ。見事なソメイヨシノの並木がある手宮緑化植物園では、厩稲荷神社脇にあるソメイヨシノの大木や、その並びにあるソメイヨシノも、まるで花を付けていない。申し訳なさそうなほんの少しの花しか見られない。
緑化植物園の緑の相談員の輿水慶子さんは、「今年の緑化園のソメイヨシノには、花が付いていない。空を覆うような例年の満開の様子は全く見られない。ソメイヨシノは一斉に咲くのに、今年はポチポチとしか咲いていない。私の人生で、いろんな桜を見て来たが、こういう風に、一斉に咲かないという経験は無い」と驚きを隠さない。
市の建設課の佐々木幸治さんも、「自分の35年の経験でも、こんなにひどいことはなかった。これだけ花が少ないのは記憶に無いし、見たことがない。はっきりした原因は判らないが、異変と言えると思う。これで満開と思うが、花芽が付いていないのでこのまま葉桜になる」と、ソメイヨシノの異変に首をかしげる。
駅構内にソメイヨシノの木がある南小樽駅でも、「今年は、いつものように満開にならず花も少ない。例年は、散った花びらの処理が大変だが、今年はずっと楽だ」と言う。
手宮公園の夜桜ライトアップも、花が咲かず一度二度と延期されるなど影響を受けた。手宮公園のソメイヨシノも、二、三分咲きの状態のまま葉桜へと移っている。今年はソメイヨシノの満開は望めず、12日まで行われている夜桜ライトアップも、今週は、葉桜をライトアップすることになりそうだ。