鉄道マニアでも見たことのない、日本銀行所有の現金輸送用荷物車マニ30が、今夏に小樽交通記念館で展示公開される。
積荷が現金という「特別客」で、鉄道雑誌でもほとんど扱われていない、日銀の幻の現金輸送用鉄道車両マニ30が、小樽交通記念館(手宮1)で、この夏に、その秘密の厚いベールを脱ぐ。カメラを向けると、警察の職務質問に会うといわれるほど、車両の内部や運行状況も極秘とされていただけに、鉄道ファンの熱い注目を集めることになりそうだ。
マニ30は、日本銀行が全国の支店に銀行券を輸送するのに使用した荷物車で、1回に100億円の現金を積む事が出来たといわれる。この車両は、現金輸送が列車から車へと変わったことから、2003(平成15)年でお役ご免となった。小樽市に長年にわたり支店を持っていた日本銀行では、小樽が北海道鉄道の発祥地であり、日銀の金融資料館(旧小樽支店)があることから、小樽交通記念館に、マニ30の寄贈を申し出た。
小樽交通記念館では、このマニ30の車両の希少性からも、新たな目玉の展示車両として、日銀の寄贈を受け入れることを決めた。あらたに展示車両が追加されるのは、同館開館の1996年以来初めてのこと。搬入は、今夏までに行うが、東京から札幌までは線路を使って輸送する。
同館では、銀行券を輸送してきた荷物車の展示を通じ、日本銀行の業務や役割に対する理解を深めるためにも、金融資料館(旧小樽支店)ともタイアップして、相乗効果を挙げたいとしている。写真は、小樽交通記念館提供。