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今回の統一地方選の市議選(4月27日投開票)で、立候補者37人のうち、唯一人選挙費用の公費負担を返上し、手作り選挙で見事27位で初当選した、上野正之市議(58)の選挙費用は、38万円だったことが判明した。
上野市議は、選挙後に費用の明細を公表するとし、小樽ジャーナルにその明細が送られてきた。それによると、かかった選挙費用は、総額386,732円ほどで、415万の法定選挙費用限度額の10分の1にも満たない額での“公明正大”なものだったことが判った。
上野氏は、長橋2丁目にある浄土真宗本願寺派の真正寺の住職で、痴呆対応型共同生活介護事業のグループホーム「ハーモニー」の理事長も勤めており、これまで地域活動に力を注いでいた。
今回の市議選について、上野氏は語った。
「自分はこれまでの市長選や市議選の応援などの経験から、選挙には金がかかることを身にしみて知っていた。このため、3月下旬に選挙に立起する決意を固めた時に、無駄な金を一切かけないで、市民の負担となる公費返上での選挙を行うことを決めた。
このため後援会活動でも、金のかかることは一切せず、パンフレットなども作らず、立起した主張を述べたメモを作って配ることにした。選挙戦では、車はガソリン代の安い軽自動車にし、有権者に電話をかけることもしなかった。車の中からお願いしますと連呼するのも嫌いなので、車の外に出て、自分の心情を訴えることにした。車に乗ったのは2日間位で、後は、小樽駅や市役所、都通りなどの各商店街などで、40回ほどの辻説法を続けた。
選対会議や夜の集会なども一切行っていない。ボランティアも時間通り、朝9時から夜8時までで帰ってもらった。
まさにボランティアとの手作り選挙戦だったが、これまで自分が地域での活動を行ってきたことが、市民に受け入られると確信していたので、金をかけない手作り選挙に自信を持っていたので、選挙中も一切の不安などなかった。
公費返上、軽自動車の選挙カー、1枚10円の手作りポスターと、金のかからぬようにしたが、看板代の14万7,000円が、今回の一番の出費となった。これは事務所が道路より奥まったところだったので、看板は掛けないと言ったら、支持者から、いくら何でもそれでは選挙にならないと言われ、6枚作った。
今回当選して、若い人でも200万位かかったと聞いたが、本来、候補者が金をかけないでやろうとすれば、誰でも出来ることだと思う。ある自民党の市議は、自分たちは何十年やっても1千数百票取るのに大変なのに、上野さんしかやれないと言っていたが、選挙は誰でもやろうとすれば、金をかけなくてもやれることが判った。やる人が少ないのは、不安に駆られ、やろうと本当に思わないから出来ないのだと思う。」
公費を返上し、自己負担の38万円也の市議選は、小樽市の選挙史上でも初の快挙といえるもので、高い評価となっている。
市選挙管理委員会の話では、選挙費用の公費負担は、自動車のレンタル代1日15,300円(上限)×7日分、燃料代1日7,350円×7日分、運転手日当12,500円×7日分、の計246,050円と、ポスター代1枚1,381円×417枚の575,877円の合計821,927円。これに選挙用のハガキが公費負担となる。
公費負担は、平成7年の統一選から始まり、平成11年、平成15年の今回で3回目。今回の公費負担分の予算計上は、43,615,000円だが、当初から公費返上を公表し、公費を請求しないのは、上野氏唯一人という。
市議選での市税による公費負担は、1人当り約100万円近くに上るが、これを返上し自己負担の38万円の選挙戦の展開は、既成革新政党も及ばない“快挙”となり、小樽市の選挙史上に大きな足跡を記録するものとなった。
上野正之市議会議員選挙費用 |
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1.看板代 |
147,000 |
2.スピーカー代 |
47,850 |
3.ガソリン代 |
21,834 |
4.キャリア代 |
17,220 |
5.たすき代 |
12,600 |
6.ポスター紙代 |
6,300 |
7.ハガキ印刷代 |
27,300 |
8.事務用品代 |
24,275 |
9.食事代 |
72,935 |
10.雑費 |
9,418 |
合 計 |
386,732 |