雪に閉ざされた、長橋なえぼ公園の雑木林の中を、かんじきを履いて探索する「冬の生き物観察会」が、2日(日)午前10:00に行われた。冬の観察会は今回で2回目。児童・父兄ら20人ほどが参加した。
参加者は、春先の湿って重くなった雪にかんじきを取られ、苦戦した様子。雪原に残された足跡を発見すると、小樽博物館学芸員の山本亜生さんのクイズが始まる。足跡の主や歩き方などの解説に、子供たちの興味は尽きない。リスやキツネの足跡のほかに、最近はネコの足跡も多く見かけるそうだ。林間に野鳥が飛び交い、朽ちた木にはキノコの仲間が張り付く。厳しい寒さの中でも、したたかに生きる生き物がいる。
雪の中で本当に昆虫が生息できるのかというのが、子供たちの最大の関心事だったが、途中で天候が崩れてきたため、本日のお目当てである、雪の中の昆虫を見つけることが出来ない雰囲気になった。
昨年も残念ながら、雪の中で生息する、“セッケイカワゲラ”には会えなかったそうだ。“セッケイカワゲラ”は10mmほどの小さな虫で、摂氏0度前後で活動する。雪上の微細な菌類を餌とし、きれいな川がないと生息できない、めずらしい昆虫。
今回も諦めて、帰路に着いた時、雪上に這う“セッケイカワゲラ”が姿を現した。参加者は誰もが覗き込むようにして、この小さな生き物に熱い視線を送っていた。住宅街に隣接しながらも、自然とそこにしたたかに生きる生き物を目の当たりにした、なえぼ公園の1日だった。