寒風が吹きつけるのをものともせず、小樽海上保安部と石狩消防署との、本年最初の合同潜水訓練が16日(木)午前10時、石狩湾新港東埠頭海域で行われた。
両者の合同潜水訓練は、平成12年8月2日に起きた厚田村望来浜海水浴客行方不明事案を契機に、平成13年1月17日から実施され、今回で10回目を数える。
昨年、小樽・石狩管内で、水上オートバイ事故等の沿岸海難事故が多発したことを踏まえ、今回の訓練は両者の一層の連携強化と、救助技術の向上を図るのが目的。
気温−4℃、巡視船「ほろべつ」の船上では滝渕弘充船長の訓示のあと、隊員たちは水温1℃の真冬の日本海に挑んだ。
今回参加したダイバーは、小樽海上保安側が金澤正信さんら3名、石狩消防署側が濱井守さんら4名。
冬の間、潜水服は水を通さないドライスーツを着るのが常識だが、不測の事態に備える意味で、水を通してしまうウェットスーツで訓練したダイバーもいた。
ただでさえ意思の疎通を図りづらい水中の訓練ではあるが、海上保安側と消防署側で水中の合図や信号は、それぞれ異なるため、普段から共通の『言語』を使いこなす意味でも、合同訓練の実施は重要だ。
訓練が実施された海域の水深は8m、最初はスキューバ装備をつけない状態で船体を2周し、素潜りでスクリューにロープを結索する訓練が行われた。
次に重さ22〜3kgにもなる装備を担いで、遭難者に見立てたダミー人形を環状捜索で発見し、ゴムボートで救助する訓練が行われた。
訓練は午後12時30分で終了し、隊員たちは、船内で出された辛口のカレーライスを美味しそうに食べて、体を温めた。
合同潜水訓練は17日(金)も午前10時から午後12時30分まで行われる。