かつて小樽経済の絶頂期に“北のウォール街”と称された、色内地区に唯一残っていた最後の銀行、三井住友銀行小樽支店(旧三井銀行小樽支店)が、15日(金)15:00に正面玄関の重い扉を閉め、雪の舞う中、123年という長い歴史の幕を下ろした。
旧三井銀行が小樽へ進出したのは、1880年(明治13年)4月で、小樽市内の銀行の草分的存在だった。
現在の花崗石の重厚な外壁を持つ建物は、1927年(昭和2年)に竣工したもの。小樽で初めての鉄骨鉄筋コンクリート造りの2階建地下1階で、水洗トイレを設けるなど、その時代の先端をいっており、色内地区の“北のウォール街”の銀行界を支え続けていた。
“北のウォール街”の最後の支店長となった本間哲平支店長(49)は、「当店のお客様は、小樽でも古い方が多く、閉鎖は残念だが、引き継ぐ札幌支店でも同じように取引が出来るようバックアップ体制をとっており、気軽に札幌に来ていただきたい。最後の支店長として、120年もの歴史の重みを感じている。小樽は3年8ヶ月の在職だったが、快適な生活を送ることが出来た。小樽経済が成長を見込める観光産業を伸ばし、小樽市全体の経済の活性化につなげてほしい」と語っている。
また最後の日に来店したお客も「小樽から次々と銀行が無くなるなんて、さびしい限りです」と話す。支店長以下18名の行員は、最後の営業日の業務を淡々とこなしていた。
商都小樽の銀行界のシンボル的存在であった日銀小樽支店が、9月に閉鎖されたのに続く、最後の都市銀行の小樽からの撤退は、小樽経済の地盤沈下を如実に示すものとなっている。
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