9月6日から初乗り470円の値下げタクシーが市内を走り出している中で、依然として530円の料金を維持しているタクシー会社がある。初乗り運賃530円を維持しているのは、黒塗りの車で知られる地元の“こだま交通”(本社・堺町8・阿部益一代表取締役)と、系列の“ぜにばこ交通”の2社だ。
同業他社が、初乗り運賃を60円値下げし470円にした中で、“こだま交通”は「現在の市況の推移は横バイ状態で、値下げによるサービスの低下や、運転手の意欲の減退を避け、値下げとは違った方向でのサービスを行っていくので、利用者にも判ってもらえるのではないか」と運賃値下げは考えていないという。
同社は地場の会社で、これまでも福祉タクシーや4WD車の採用、今年8月には小樽初の禁煙車の導入など、業界では先駆的な試みを実行している。最近では、グリーンのボランティアジャンバーを全従業員に配付し、9月に市内の道路清掃などを行ったり、利用者へのサービス還元としてオタルンカードに加盟し、領収書10枚のポイントによる年4回の抽選会で、1等2万円などの総額100万円が当たるプレゼントを行っている。このプレゼントの第1回抽選会には、2,875通もの応募があり、抽選会で利用者に還元したという。
「実際のところなぜ値下げしないんだという利用者の声もあるが、逆に頑張ってと言ってくれる人も多いので、何とかこのまま可愛がって頂きたい」(前田営業課長)と語っている。
細かなサービスの530円料金を取るか、470円の実質を取るか、60円を巡ってのタクシー業界の つばぜり合いの今後が注目される。写真は8月に導入した小樽初の禁煙車
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