かつて「北のウォール街」として知られた小樽金融街の中心、色内1丁目にある日本銀行小樽支店(成川良輔支店長)が、9月13日(金)15:00、109年の営業に幕を下ろす。
一世紀を越える長い年月を、小樽の興隆とともにあった日銀支店の営業終了は、近年の小樽経済界の衰退を象徴する出来事となっている。同じく「北のウォール街」を支えていた旧三井銀行小樽支店(現三井住友銀行小樽支店)も、11月に小樽を撤退することにしており、小樽市からは、関東以北で最初の日銀支店と最後の都市銀行も消え、文字通り「北のウォール街」にピリオドが打たれたことになる。
日銀小樽支店の建物は、東京駅や日銀本店を設計した辰野金吾らにより、1912年(明治45年)7月に落成したもの。煉瓦造亜鉛引鉄板葺2階建・地下1階・塔屋付の約1,210平方メートル(360坪)の、ルネッサンス様式の堂々たる建物で、市の歴史的建造物にも指定されている。観光客も訪れ、記念撮影をする姿も多く見られる、小樽の名物建造物の1つ。
13日15:00に営業終了となる日銀小樽支店は、現支店長で41代を数え、16日から支店は正式に廃止となる。日銀ではこの由緒ある建物を利用し、来年春に「金融資料館」としてオープンし、日銀の広報活動の拠点とすることにしている。オープンするまでの間も外観のライトアップは続ける予定。