小樽観光で有名な堺町通りの北一硝子3号館(堺町7-26)の中央通路にランプに照らされ、一鐵安司氏の写真展「小樽点描」が開かれている。
北一硝子三号館は、かつて木村倉庫が所有していた本社兼漁業用倉庫。広々とした空間が広がり、ガラス製品の販売店として観光客が群れをなしている。この木骨石造建築の倉庫内は、中央の通路で分れており、この通路に荷物搬入用のトロッコのレールが今も残っている。
このレールの残る中央通路の両側の壁面を利用し、現在一鐵安司氏の写真展「小樽点描」が開かれている。薄明かりの通路にあるランプの明かりに展示された、モノクロの写真18点が浮かび上がり、ちょっとした風情を醸し出している。小樽市内を様々なショットで捉えた写真が壁面に並んでいる。「気づかれないまま通り過ぎてしまう風景が、光と影の中で語りはじめる。それは見る人の遠い日の一瞬をよみがえらせる」と記されている。