生徒数の減少で、3月31日で閉校した石山中学校(市内石山4-1)の円形校舎が、生徒が誰もいなくなった校庭を見下ろしながら、寂しくたたずんでいる。
石山中学校は、戦後の新制中学校として昭和22年に誕生した。前身は、昭和5年開校の第2高等小学校。昭和31年5月の色内火災で旧校舎を消失したが、その翌年の昭和32年10月に、学校校舎としては極めてユニークは円形校舎が生まれた。5階建と3階建ての2つの円形校舎が渡り廊下でつながり、狭い土地利用を考えて作られ、中央に螺旋階段があり、扇形の教室で高台にあるため眺望も良く、デザインの見事さで全国からも多くの見学者を集めたという優れもの。
3月に閉校以来、この優れたデザインの校舎も、主を失って寂しい余生を送っている。この校舎で学んだ生徒は“扇形の教室で、扇子を開いたように奥に広がっており、ユニークな螺旋階段もあり、生徒も自慢だった。閉校で利用されないのは本当に残念”と昔を懐かしんでいる。