伊藤整文学碑

いとうせい(1905・1・16~1969・11・15)

【碑文「海の捨児」】

私は浪の音を守唄にして眠る
騒がしく絶間なく
繰り返して語る灰色の年老いた浪
私は涙も涸れた凄愴なその物語りを
つぎつぎに聞かされていて眠ってしまふ
私は白く崩れる浪の穂を越えて
漂っている捨児だ
私の眺める空には
赤い夕映雲が流れてゆき
そのあとへ星くづが一面に撒きちらされる
ああこの美しい空の下で
海は私を揺り上げ揺り下げて
休むときもない

塩谷の海を見渡せるゴロダの丘に建つ。5メートルもある安山岩に詩が刻まれている。碑の周りも整備され、ゆっくりと鑑賞出来る。小樽の作家というと多喜二と整の二人がまず挙がる。二人の碑もそれぞれに立派な作りで、その功績を讚えている。碑文は詩集「冬夜」所収の「海の捨児」の冒頭二編。整は小樽高商卒で、一級上に小林多喜二、高濱年尾がいた。詩集「雪明りの路」他小説「若き旅人の肖像」など、文芸評論や翻訳でも活躍した。日本芸術院会員。多喜二と同じく小樽を舞台にした作品も多い。中央バス 余市線、塩谷線 伊藤整文学碑前下車、徒歩5分 小樽市塩谷2丁目(ゴロダの丘)

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