小樽市議会12月定例会、7議員が一般質問!(2006/12/13)

  小樽市議会12月定例会の本会議が、12月13日(水)13:00から開かれ、各会派の7議員による一般質問が行われた。

 一般質問に立ったのは、民主市民連合・山口保、平成会・上野正之、森井秀明、共産党・菊池葉子、新谷とし、自民党・佐々木茂、公明党・秋山京子の7議員。

 最初に質疑した山口議員は、「確かに財政はひっ迫し、健全化への道は、未だ予断を許さない状況ではありますが、本市市民には、未来を切り拓く、展望が必要です。多くの市民は、この間不安と失望を抱えています。3期目の出馬に向けて、市長の抱負と決意をお伺いします」と質問した。

 山田市長は、「当面する最大の課題は多額の赤字を抱える本市財政の再建でありまして、次の4年間がまさに正念場であると考えております。また、病院の新築統合につきましても就任以来の課題で、中心市街地に活力を取り戻すための施策についても積極的に進めたいと考えております。そのほかにも市政の課題は山積しておりますけれども、具体的な政策や公約につきましては、これから各界、各層の皆さんのご意見を伺いながら立案していきたい」と答えた。

 上野議員は、小樽港のふ頭の利用方法について、「第3号ふ頭に下りると、雑然と貨物倉庫や上屋などで殺風景な光景が広がっています。市民や観光客も近づかないふ頭利用ではなく、横浜の山下公園のように環境を整備し、内外の観光客を迎え入れるべきで、港付近に家族が喜ぶ中華街や女性が喜ぶお菓子のスイーツ街なども集約して、小樽を訪れる客にさらに魅力ある都市の顔を見せる必要があると思いますが、お考えをお聞かせ下さい」と提言した。

 山田市長は、「御提言のありました第3号ふ頭につきましては、現状も港湾物流活動が行われている地区であり、今すぐ市民や観光客に開放して、迎え入れる状況にはありませんが、現在検討を進めております“小樽港将来ビジョン”の懇談会の中でも、交流空間の確保を大きなテーマとして議論を進めており、中長期的には、ふ頭の利用状況を踏まえながら、魅力ある交流空間の整備が必要になるものと考えております」と答えた。

 森井議員は、「新谷市政の3期12年で603億円から1,396億円と793億円もの借金が積み上げられた。この市債のふくらみにより、小樽市の財政が破綻の道へと急傾斜することになった。この経緯を見て、市当局や市議会、関係団体などの責任が極めて大きいものだということに、この仕事に就くことで気づかされ、その重さを強く感じております。また、市民自身にもそのことに気付いてほしく思います。市債残高の増加要因をお知らせ下さい」と質した。

 山田市長は、「市債残高が大きく増加した要因は、道路・公園・住宅の整備、築港周辺地区の再開発事業、交通記念館・望洋シャンツェなどの建設事業の財源として、市債の借入れを行ったことが主な要因ですが、その他に、国の税制改正に伴う減税補てんや税収の落ち込みのための借入れも市債残高の増加要因となっております」と答えた。

 また、「夕張市が財政再建団体となり、全国でも最低水準で取り組まれていますが、破綻してからでは遅いと強く感じます。破綻する前に取り組む必要性を、夕張市を見て改めて感じています。夕張市のような最悪な状況にしないためにも、ここで赤字の増大を止めるつもりで展開すべきと考えますが」と、夕張市並の大幅な取組みを展開すべきと質問した。

 市長は、「夕張市の極めて深刻な状況を見据えて、本市としても最悪の事態を考慮しておくべきではないかとのお話でありますけれども、私としては従前より、財政再建団体に陥らないよう財政健全化計画及び財政再建推進プランを策定し、皆様や職員の協力を得ながら行財政改革に取り組んできておりますので、現段階でお示しすることは困難であると思っております」と答えた。

 菊池議員は、「子供の放課後の安全を守る取組みでは、保護者との協力・共同はもちろんのこと、町内会、老人クラブなど地域の方々の協力が避けられません。小樽市での取り組みの現況をお知らせ下さい」と質問。

 菊教育長は、「子供の安全を守る取組みについてでありますが、これまでも防犯ブザーの貸与や子供110番の家の拡充、更には、安全マップの作成とこれに伴う通学路の安全再点検、そして警察からの不審者情報をリアルタイムに学校へ連絡するなどの取組みも行ってまいりました」と答えた。

 佐々木議員は、認定こども園について、「北海道は10月17日北海道認定こども園の認定基準に関する条例と関連する細則を公布、施行したが、期待されるものについてお聞かせ下さい」と質問。

 市長は、「保護者の就労の有無に関わらず継続して施設利用が可能となるなど、利用者の選択の幅を広げるもので、多様な教育・保育ニーズに柔軟な対応が出来るものと考えておりますが、現在のところ市内においては、申請に向けた具体的な動きはないと伺っております」と答弁。

 新谷議員は、小児夜間救急問題について、「今年4月から10月まで夜間救急センター内科にかかった3,845人のうち、1,146人約30%を占めています。このうち、37人が二次転送で90%は協会病院に回されていますが、救急センターから遠い東部地域の急患が頼れるのは、まず、市立小樽病院です。はじめに診断するのは内科医であることから、市立小樽病院の内科医で一次の対応は出来ないでしょうか」と質した。

 市長は、「市立小樽病院の内科医師は、平成16年度当初では12名おりましたけども、現在7名で約半減しております。そのため、大学からの臨時の派遣医師の対応なども行っておりますが、それでも外来診療などの日常業務を行うことも大変な状態が続いており、1人当たりの医師の負担は非常に重くなっております。現体制で小児の一次救急を行うことは、極めて困難な状況にあります」と答えた。

 最後に立った秋山議員は、医療制度改革に関し、「何故、小樽市国保の医療費は全道主要都市より一番高いのか」と市長に説明を求めた。

 これに対し、市長は、「本市の国民健康保険事業においては、国保への高齢者の加入割合が高いこと、また、国保加入者の入院割合が高いこと、さらには、市内の医療ベッド数が多く医療環境が整っていることなどが、1人当たりの医療費を高くしている大きな要因である」と答えた。

 小樽市議会12月第4回定例会は、本会議での会派代表質問と一般質問を終え、14日(木)・15日(金)・18日(月)に予算特別委員会、19日(火)に各常任委員会が開かれる。また、病院特別委員会を20日(水)に開会することにしたため、会期を1日延長し、12月22日(金)までの18日間とすることを決めた。

 ◎質問要旨

  山口議員 上野議員 森井議員 菊池議員 佐々木議員 新谷議員 秋山議員

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