6月市議会で一般質問!市長次期出馬 明言せず!(2006/6/15)

  開会中の小樽6月市議会(第2回定例会)は、6月15日(木)13:00から、本会議を開き、議員による一般質問を行った。

 一般質問には7議員が立ち、市政の諸問題について質疑した。一般質問の後、議案の各委員会付託が行われた。

 委員会付託案件は、こちら(第2回定例会議事事件一覧表)

山口保議員
(民主市民連合)

 民主市民連合・山口保議員は、新博物館基本計画・歩道橋撤去・議会活性化の試みについてなどを質問。

 特に、「手宮地区と北運河地区は、北海道の開拓の歴史を語るに欠かすことの出来ない貴重な歴史遺産の宝庫であります。私はこの地区を次の交流観光拠点として、しっかりと位置づけ、課題を一つ一つ整理されl順次整備をされてゆく時期に来ているのではないかと考えています。旧国鉄手宮線の中央通りから手宮鉄道施設までの16,800平米について、JRからの所得は、長年の懸案になっていることは承知していますが、この際その所得整備の検討を」と、旧手宮線と鉄道施設の一体活用を質問した。

 これに対し、山田市長は「北運河周辺地区には重要文化財である旧日本郵船小樽支店や歴史的建造物など多くの歴史的遺産があること、旧手宮線の終着点となっている旧交通記念館は来年度新たな施設としてオープンする計画であること、更に手宮と中心市街地を結ぶ重要な導線である旧手宮線の活用を含め『手宮・北運河周辺地区活性化基本構想』を現在策定していることなど、この部分は今後新たな観光資源やまちづくりにとって重要な位置を占めていることから、早期の所得に向けて、JR北海道と協議を進めて参りたい」と、これまでよりも一歩進んだ早期の所得を明言した。

横田久俊議員
(自民党)

 自民党・横田久俊議員は、景観行政・安心安全なまちづくり条例・学校施設の耐震診断・学校の職員会議などを質問。

 景観行政について「出抜小路が目隠しされたことは猛省すべきだ。今後このようなことがないよう、どのような建物が建つかの対策を早急に建てる必要がある。今後の景観を守るための姿勢として具体的にどのような考えを持っているか」と質した。

 市長は「景観上特に重要な地域については、その地区内での景観を阻害するような建築行為等に対して、その制限や是正命令が可能となる『景観地区』の指定を目指し、今後地区内の土地所有者や事業者との協議を行い、十分なコンセンサス形成を図りながら、景観保全に努めて参りたい」と答弁した。

上野正之議員
(平成会)

 平成会・上野正之議員は、任期最終年の市長の政治姿勢・市立病院の統合新築について質問。

 「残り任期10ヶ月では、病院の統合新築は不可能であり、ますます空洞化する市内経済で地域経済の底上げも望めず、小学校の適正配置では市民の反対で振り出しに戻り、2年連続の赤字予算で財政健全化も遠のくばかりと、極めて残念な結果となっています。当選後に実施した公約の実現率は5分の1の20%で、公約の80%が実現しておりません。市政のトップリーダーの市長は今後の方向性を示すだけでなく、その政策の実現性こそが問われている。あえてお尋ね致しますが、次期市長選にさらに出馬する意思がおありなのか、イエスかノーでお答え下さい」と切り込んだ。

 市長は「地域経済の底上げは依然として厳しい状況にあり、小学校の適正配置は、御指摘のような結果となりました。財政の健全化も大変厳しい状況である」とし、「公約の中にはまだ道半ばのものもございます」と率直に認めた。「私の進退についてでありますが、今は財政健全化や新病院建設などの重要案件や当面する課題に全力で取り組んでいるところでありますので、適切な時期に判断したいと考えております」と答弁した。

 市立病院については「運営の問題でも、お役所運営でなく、病院経営のプロの民間に運営をまかせることが多くなっています。長橋にあった国立療養所小樽病院が、国の再編方針に伴い廃止され、済生会西小樽病院となった例が市内でもあります。国立病院までもが廃止の方向で民間運営へ方針転換している中で、小樽市も市営からも民営への道を探る必要があると思いますが」と質問。

 市長は「医療環境がますます厳しくなる中で、新病院を健全に運営していくためには、これまで以上に経済性を発揮した効率的な運営が求められますので、地方公営企業法の全部適用について、道内で新たに導入した病院もありますので、今後は、それらの事例も参考にしながら、具体的な検討を行っていく」と答弁をした。

北野義紀議員
(共産党)

 共産党・北野義紀議員は、障害者自立支援法実施に伴う諸問題・旧マイカル小樽をどうするのか・稲穂1丁目再開発地区から、政策投資銀行が撤退した問題についてを質問。

 築港地区の旧マイカル小樽と稲穂1丁目の丸井の跡利用の質問では、「小樽ベイシティ開発(OBC)の役員体制の変更があったが、巷ではOBCは早晩二次破綻する。そうなれば、OBCに132億の債権を持っているポスフールも倒産だろう。またイオンの出方が見えないと不安視されています。OBCのテナント誘致は誰がやるのか」と質問。

 市長は「OBCは、5月30日の定時株主総会で新たに5人の取締役が選出され、6月6日開催の取締役会で社長の交代があった。今後、新社長とお会いして経営方針をお聞きし、市として対応すべきものがあれば対応していきたい」と答弁。

 また稲穂1丁目の丸井の跡利用では、「現状では、いくつかの企業が出店の意向を示しているものの、ワンフロア当たりの面積が狭いことや駐車場の改善を求められていることなど、難しい課題があるため、出店契約には至ってない」と、まだ見通しがないと答弁した。

大畠護議員
(平成会)

 平成会・大畠護議員は、公金横領事件・青果地方卸売市場・水族館の改築・北海道ワイン観光ゾーン・マリンウェーブ小樽・外航船客公共待合所・国保・消防長期構想についてなど質問した。

 後を絶たぬ公金横領事件について、「小樽観光協会が徴収していた、運河プラザ・ギャラリーの使用料の着服事件が発覚しました。小樽観光協会の指定管理者としての管理能力に疑問ありとも思われますが、市長のご見解をお示し下さい」と質した。

 市長は「市が不正を早期に発見出来なかったこと。業務の点検が不十分であったことを深く反省しており、5月25日付けで庁内各部局に対し、業務委託を含む公金の取り扱い業務すべてについて、再点検の実施、問題点・課題の洗い出しを指示しており、その内容を精査の上、不正の発生を未然に防止出来る事務処理体制の確立に努めて参りたい」と答えた。

高橋克幸議員
(公明党)

 公明党・高橋克幸議員は、下水道の更新計画に関して・小樽市畜犬取締り及び野犬掃とう条例の運用・新博物館についてなど質問した。

 このうち小樽市畜犬取締りでは、「本市における犬の登録数と狂犬病予防注射実施数及び注射率については他都市との比較を含めてお聞かせ下さい。また、予防注射を受けないものも相当数いるようですが、その理由と狂犬病の危険性及び予防注射を受けている飼い主の不公平感についてどのように考えているのか」と質した。

 市長は「平成16年度のデータでは、市内の犬の登録数は5,799頭、注射頭数は4,815頭であり、登録に対する予防注射の実施率は83%であります。注射率を他都市と比較しますと、札幌市が72.9%、旭川市が75.6%、函館市が64.6%となっており、本市の注射率は高いといえます。狂犬病は、国内では昭和32年以降発生していないことから危機感が薄れ、注射を受けない飼い主がいることにつながっております。注射は、飼い主の義務であることを改めて意識させるために、広報誌などを通して周知を図って参ります」と答えた。

 新博物館では「科学技術館を廃止するわけですが、この跡利用はどのように検討されているか」と質問。

 市長は「新博物館に関連して、現科学技術館の跡利用についてのお尋ねですが、建物の形状やすでに築43年が経過しており、現状のままでの公共施設としての利用は難しいと思われ、売却の方向で検討して参りたい」と答えた。

若見智代議員
(共産党)

 共産党・若見智代議員は、次世代育成支援行動計画・保育事業・乳幼児医療助成度について質問した。

 保育事業関連の保育料軽減について「小樽市では第2子半額、第3子が無料となっているが、同時に入所していなければ適用にならない。旭川市では第2子の保育料は4分の1で実施し、無料の検討もしていると聞く。経済的負担の軽減のため小樽市でも実施できないか」と質した。

 市長は「保育料の軽減でありますが、これまで保育料の改定を15年間実施せず利用者負担の軽減を図って参りましたが、2年間の経過措置を設け、平成18年度には道内主要都市平均の軽減率となるよう保育料を改定させていただいたところであります。このようなことから現時点ではさらに保育料を軽減することは大変難しいと考えております」と答えた。