小樽出身の画家・本間聖丈展 2/24から!(2006/2/21)

 市立小樽美術館(色内1)では、日本画と水墨画で活躍し、2004(平成16)年12月に世を去った本間聖丈を追悼し、画業を展覧する企画展「本間聖丈展―いのちあるものへの祈り/新収蔵品展」を2月24日(金)から開催する。

 本間聖丈、本名一郎は、1922(大正11)年に小樽に生まれた。幼少から絵が好きだったが、戦争でマレーとスマトラに5年間の軍隊生活を送ったため、復員後本格的に制作を始めた。

 小樽水彩画会の宮崎信吉に指導を受け、生物や風景を手掛けていた。日本の古典に興味を抱き、友人の勧めで日本画を始め、1957(昭和32)年道展に初入選を飾った。40代の後半から、寂れた漁港や荒涼とした積丹、知床、綱走の海岸などをモチーフとした。

 1970(昭和45)年から10年間継続して東北地方を旅し、東北の民間信仰に傾斜していったという。自然に仏教への関心が芽生え、戦争中、自らも死と直面する経験を受けたことから、仏画を手掛けていったとしている。

 妻・かね(79)さんは、「亡くなる1ヶ月前まで絵筆を握っていた。描けなくなるまで『出来るだけ描きたい』という気持ちだったと思います。今回、展覧会を開いてもらい、作品集もまとめてもらったこと、協力してくれた皆さんに感謝しています。良いものが出来て本当にうれしい。主人も考えていなかったと思う」と感激を表している。

 企画展には、インドを題材にした作品や仏画、美しい青や緑で北海道の森を描いた「森へおいでよ」や、小樽での厳しい冬場の漁港を描いたものなど58点が飾られる。2月24日(金)から5月28日(日)までの9:30〜17:00。休館日は毎週月曜日、2月21日(火)〜23日(木)、3月22日(水)、5月2日(火)・9日(火)〜11日(木)。観覧料:一般300円、高校生と市内在住70歳以上150円、小中学生無料。問合せ 0134-34-0035

 市立小樽美術館HP