かんじき履いて、冬の生き物観察会!

 

 

エゾリスの足跡

クマゲラの堀跡

 

 3月7日(日)10:00から、長橋なえぼ公園で、小樽市博物館が主催する「かんじきツアー冬の生き物観察会」が行われた。

 慣れないかんじきを履いての、雪国ならではの観察会。風もなく快晴の穏やかな日和となり、参加者は、小樽の自然の豊かさを実感しながらの、雪の公園散策を楽しんだ。

 博物館の山本亜生学芸員によるリポートをどうぞ!

 夏の間はやぶが深くて歩けない森の奥深くも、雪の季節には、かんじきやスキーをはいてすいすい歩くことができます。いつもとちがう場所から眺める森の風景は、この時期でしか味わうことのできない楽しみの一つです。この観察会は、雪の上を歩いて長橋なえぼ公園を少しちがった角度から見直してみようというテーマで、毎年この時期に開催しています。今年は23人が参加しました。

 なえぼ公園は市街地の中に残された貴重な平地林で、キタキツネやエゾリス、エゾユキウサギ、ホンドイタチ、テンなど様々な動物が暮らしています。こうした動物たちはほとんど夜に行動することから、なえぼ公園を歩いても、出会う機会はなかなかありません。しかし、この季節は雪の上に残された彼らの足跡を観察することで、その存在を知ることができます。

 今年は天候にも雪質にもとても恵まれ、快適な散策をすることができました。残念ながら今回はキタキツネとエゾリスの足跡しか見ることができませんでしたが、驚くほどたくさんの足跡を見ることができました。今回は他にも、クマゲラが樹の中のアリを探した掘りあとや、雪の上にしか姿を見せない「セッケイカワゲラ」という昆虫も見つけることができました。また、ハンノキの花やミズバショウの芽吹きなどそこまで来ている春を感じさせるものも見ることができました。

 今年博物館では、なえぼ公園にすむ生き物をテーマにした観察会をいくつか予定しています。小樽市民にとても馴染み深いなえぼ公園ですが、あまり知られていない意外な魅力がたくさんあります。桜の花だけでないなえぼの面白さをお伝えできれば幸いです。写真は小樽博物館提供。