『おもしろい花々の顔〜小樽で出会った植物をめぐるいろいろなお話〜』(2003/10/20)

 小樽ジャーナル 御中

雪の便りも聞こえ始め、寒くなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、来る11月1日より、以下のような展示会を行なうこととなりました。

出来ましたら、ご覧になってくださると幸いです。

よろしくお願いいたします。

松下(宮野)和江

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『おもしろい花々の顔〜小樽で出会った植物をめぐるいろいろなお話〜』

 

歴史ある古い町、ここ小樽は、美しい運河や煉瓦造りの建物が有名ですが、その陰で

植物や動物達も面白い顔を見せています。

今年の春根室から小樽に移住してきた作者の目を通して、小樽で咲く花々を、エッセ

イ・写真・ユーモラスなイラストで紹介します。

 

場所  :長橋なえぼ公園 森の自然館

(休館日:月曜及び月曜が祝日の場合はその翌日 小樽市幸1−53 ?:27−6061)

 

開催日時:2003年11月1日(土)〜16日(日)《うち休館日:4日・10日》

開館時間:9:00〜16:00

入場無料

=経歴=

山口大学農学部獣医学科卒。

小動物臨床を経て、道東での自然関係の調査、傷病鳥獣ケア、インタープリテーショ

ン活動などに関る。2年前病気療養のため継続的仕事から撤退。現在は単発的に自然

に関する活動を行なっている。夫の転勤に伴い、今季春に根室から小樽に移住。活動

の中でのこぼれ話や思っていること、伝えたいことなどを主とした展示会を、年に1

回程度のペースで行なっている。今回で4回目。

著作他:根室地方スミレハンドブック(2003年、ニムオロ自然研究会)、道東の人と

自然シリーズ(北海道根室支庁他)。現在、根室地方セリ科ハンドブック作製中。

=詳細=

主題として扱っているのは小樽で咲く花20種で、それぞれにエッセイ、写真、イラス

トをセットにして添えています。中心はエッセイとイラストです。植物を中心に据え

てはいますが、植物そのものに関してだけでなく、ヒグマの話あり、まじめな話あ

り、オバカなギャグ(?)あり、と、多様な内容です。なるべく自然に興味のない方

でも楽しんでいただけるように努めています。

展示会開催に際し、初回から一貫したコンセプトは以下の通りです。

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(『はじめに』より)

 

私は今年の春まで合計6年間、道東の根室地方で暮らしました。根室地方では、原生

の自然の中で、ヒグマやシマフクロウなどの多くの貴重な動物に触れることが出来ま

した。しかし同時に、彼らの命が失われていくのを目の当たりにもしました。その多

くが、人が自然ときちんと向き合わなかったために引き起こされた出来事でした。そ

んな悲しい経験を繰り返すたびに、思いました。どうすればいいんだろう。私に何が

できるんだろう、と。

そして3年前、その答えの一つとして、このような展示会の開催を思いつきました。

そのころには、次のようなコンセプトが固まっていました。

 

「よく、『大自然』と言うと、めったに行けないような高山や湿原などの特殊な自然

環境を指すことが多いよね。貴重な生き物と言えば、私たちがほとんど出会う機会が

ないヒグマやシマフクロウなどが、とりあげられる。なんだか、『大自然』っていう

のは遠い存在で、普通に町中で暮らす私たちには関係ないような気がしない?

けれど、本当はそうじゃない。豊かな生き物達の暮らす自然は、あなたの家の庭や道

端から、ずっと続いているもの。つながっているものなんだ。皆さんが、もう少しだ

けそれに気付いてくれるといいな。そして、もう少しだけ身近な『大自然』に目を向

けて、その中にあるものを、建前じゃなく本心から面白い、大好き、と思ってくださ

ればいいな。

そうすれば自然との付き合い方も変わってくるんじゃないかな。身近な生き物だけ

じゃなく、それに遠く連なる湿原や高山なんかの生き物も、もっと暮らしやすくなる

かもね。

展示会を開催するのは、大好きな生き物達のために私に出来るのはこのぐらいだか

ら。だって、もし彼らがいなくなっちゃったら、つまらないじゃない?」

 

この春小樽に引っ越してきてからの短い間に、多くの生き物たちに出会いました。

スーパーへ買い物に行く途中にも、ふと足を止めると、鳥や虫、植物などが目に飛び

込んできます。山でも港でも街中でも、道東では目に出来ない花々が迎えてくれま

す。開発や火事などで原生の自然が少なくなってしまったと言われるここ小樽にも、

こんなにも豊かな生き物達がいたんですね。その中のたった一つの花からでも、展示

会で扱ったような色々なことが見えてきますが、でも本当は、書き(描き)きれな

かったことの方が、はるかに多いのです。ならば小樽の自然全部では、どれだけ不思

議で面白いことがあるのでしょうか。

今回でトータル4回目、根室地方以外では初となる今回の展示会をご覧になって、あ

なたの足元の生き物達に、より目を向けてくださるようになればいいな、と思いま

す。