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 12月のベストマスター 2009

高石 史康 マスター

「小樽にも、札幌に負けない美容室があるということをアピールしたい」

 4月に、小樽桜陽高校に上る通り沿いのバス停「市立小樽医療センター前」にオープンした美容室「INCONTRARE」(長橋3・インコントラーレ)のオーナー。

 漁師町の塩谷で生まれ、「漁師になれ」と育てられた。18歳の時に見たテレビドラマ「ビューティフルライフ」で、美容師を演じたSMAPの木村拓哉にあこがれたが、「美容師になりたいなんて、両親には言えなかった」とつぶやく。

 高卒後、親の下で働き、カレイやヒラメなどの漁を行った。「寒さと眠気との戦いで辛かった。若かったから遊びたい一心で、寝ないで深夜2時から仕事をすると、その日はずっと具合が悪かった」と振り返る。

 2年間漁師の仕事を手伝い、美容専門学校のための資金を貯めた。金を払ってしまえば、親に、美容師になりたいと強く言えそうな気がした。

 学校に入学すると、札幌の美容室で働きながら技術を学ぶ日々に明け暮れた。やるからには自分の店を持ちたいと猛勉強した。努力した結果、28歳で美容室をオープンすることが出来た。

 「札幌の中央区の美容室で働いていると、小樽の人が髪を切りに来ていることが分かった。なんでだろうと不思議に思ってお客さんに聞いてみると、小樽の値段が高いとか、札幌の方がうまいと思っている人が多かった。小樽で美容室をやっていきたいと思った理由のひとつがこれ。小樽でも良い美容室があるということを認知させたい」と語る。

 “No Beauty No Life (美しさの無い人生は考えられない)”を掲げ、見た目だけでなく髪質の美にもこだわる。髪に優しいパーマ液を使い、オリジナルのトリートメントを作るなど、日々研究する。「俺が出来ることは、お客さんをキレイにすること」

 「お子さんがいる主婦の方もお店に来てくれるが、子供がいてゆっくり時間が取れないと話す人がいる。子供を産んでもキレイになりたいという女性のために、5年後には託児所付の美容室にしたい。色々な国を旅することが趣味で、3年前に訪れたカンボジアに美容の学校を建てることが夢。向こうの子供たちは学ぶことが大好きで、学校に行きたがる。お客さんから頂いた料金から100円ずつ貯めると、100人来店して頂ければ1万円になって、1万人になると100万円になる」と、大きな夢を抱く美容師。28歳。実現のために一歩ずつ進んでいる。

INCONTRARE (インコントラーレ)
小樽市長橋3-13-1
電話:0134-64-1234
営業時間:火〜金曜日9:00〜19:00
     土・日・祝日9:00〜18:00
定休日:毎週月曜日・第3日曜日

 11月のベストマスター 2009

倉林 範行 マスター

市役所通り沿いにある美容室駐車場の一角を拠点に、移動式カフェで自家焙煎コーヒーを提供する「MAKAP」の経営者。

 群馬県出身の27歳。脱サラして、昨年夏、小樽で開業した。

 学生時代、東京農大オホーツクキャンパス(網走市)で知り合った友人と二人で、頻繁に喫茶店巡りをしていた。卒業後は、それぞれ本州でサラリーマンとなったが、「二人で自分たちが美味しいと思えるコーヒーを出す店を作ろう」と、夢の実現のための資金を貯めることに。

 働きながら、焙煎方法を勉強し、群馬にあった移動式カフェに通い、一からノウハウを教わった。

 「群馬の移動式カフェのマスターから、『今まで何人もの人が教えてくれとやって来たが、君は他の人と目が違った』と色々教わった。そのマスターは、移動式カフェで奥さんとお子さんを養っていた。これで生計を立てることも無理ではないと思って、車で移動式カフェをやろうと決意。大学で訪れた時に感じた、スケールの違う北海道の大自然に惹かれ、北海道で開業することに決めた」 

 昨年春に脱サラ。札幌・小樽などを移動するためと、二人で桂岡町の一軒家を借りて移住した。約150万円かけて、中古車(スバル・サンバー)を購入し、コーヒーマシーンなどの設備を入れて改造。昨年8月、開業準備が整い、小樽市で夢の第一歩を踏み出した。

 市内各所で営業中に、市役所通りにある美容室の経営者と知り合い、昨秋から同店駐車場を拠点に営業することになった。駐車場使用は無償。小樽の人の温かさに感謝。

 1回にたった500gしか出来ないという焙煎機「サンプルロースター」を使用。「焙煎は、季節や室温、火加減で味が変わる難しさがある。最低限の味はあるが、正解はない。試行錯誤しながら、今でもまだまだ勉強中。これだという味を出すまでには、時間がかかりそうだ。でもそれが楽しい」

 昨年12月、相方は小樽で知り合った女性と結婚した。子供も授かったことで、会社勤めをすることになった。

 「相方は、タバコを買いに桂岡町のコンビによく行き、そこで当時店員だった奥さんと知り合った。何回も買いに行くうちに、奥さんもタバコの種類を覚えてくれるようになった。桂岡町に住んだことで、二人が出会うことになり結婚し、そしてひとつの命が誕生した。群馬から出て来て移動式カフェを北海道でやったことの使命を果たした気分に思える」と話す。

 温かい人柄のマスター。まろやかで上品な自家焙煎コーヒーを提供する。一杯200〜300円。マイカップ持参で10円引き。豆100g(10杯分)・450円。自身の出身地で、梅の生産率全国第2位の群馬県の梅ジュースも、ホット320円・コールド350円で販売している。

cafe MAKAP
小樽市花園2丁目5-20 市役所通り
 ヘアースタジオ クリエーション駐車場
営業時間:10:00〜19:00
定休日:水曜日
090-4758-7198

 10月のベストマスター 2009

道井 忠雄 マスター

父親の“安くてうまい”を守る、花園3丁目商店街にある食事処「三川屋」(みわかわや)の2代目社長。

 「三川屋」は、祖父が、酒の小売業として札幌で開業した90年の歴史がある店。昭和12年には、父親が小樽支店をオープンした。

 「当時は、小樽で一番の量を売っていたと聞く」と誇らしげに話す。

 戦後になると、アイスキャンディーや飴などの甘味を売る駄菓子屋に。「甘ければなんでも売れた時代だったらしい。この商店街には、映画館がたくさん並んでいたから、賑わっていたし、そのお客さんが甘味を買いに来たんだ」

 その後、宴会主体の飲食店に替えた。100人収容可能な宴会場が自慢だ。「こんなに儲けていいのかと言うぐらい売れたのを覚えている。僕もお坊ちゃまで、近所の人からは、坊や坊やとからかわれた。高校生になると、さすがに名前で呼ばれるようになったけどね」と思い返す。

 高卒後、法政大学に入学。「男が自分一人だったから、後を継がなきゃいけないとは思っていたが、卒業してから少し遊んで帰ろうと思っていた。だけど、病弱な父から、早く帰って継いでくれと言われたのですぐに戻ってきた」

 大卒後、小樽のレストラン三幸で6ヶ月修業し、22歳で店を継いだ。「安くてうまいを守ってやってきた。安いのにうまいにこだわってきた。お金持ちじゃなくて、かしこまった席でもない宴会を求める人たちのためにやってきた」

 店の空き時間には、趣味の小樽歴史探索。昔の花園3丁目商店街のどこにどんな店があったか、誰が営業していたかを、緻密に調べている。「もしかしたら、お客さんから、この場所で働いていたという声が出るかなと思って」と、集めた写真を店内に飾り、「常連さんばかりに目がいっていたが、今は、ネットの口コミでお客さんが来る時代だ」と、市外から足を運ぶ人に、栄えていた小樽を知ってもらおうと、同町会の写真だけでなく、市内の色々な商店街の写真も並べている。

 すでに100年が経つ大正時代の建物内に、母親の嫁入り道具を飾り付け、レトロな小樽の雰囲気を作り出している。

 「この商店街は映画館を中心に栄えた。今は、1軒もなくなってしまったけれど、屋外映画上映のイベントを開催して、もう一度、町を活性化させたい」

 今年63歳。生まれ育った町の活性化を目指して活動中。

三川屋
小樽市花園3-2-2
営業時間:11:30〜22:00
定休日:不定休
0134-25-2555

 9月のベストマスター 2009

小山 健一 マスター

嵐山通りのゴールデンスタービル2階のPUB「AZABU」を経営する。夜の世界に入って、今年で20年。

 ヤンチャだったマスター(40)は、「親に迷惑をかけているのに、お金をかけてもらうのは申し訳ない」と、16歳の時に水産高校を退学し、一人、何のあてもなく埼玉県へ。3〜4日野宿しながら、住み込みで働ける場所を探し、中華レストランに就職。

 大胆な行動派だが、「東京だと大都会で怖かったし、心細いのもあって、隣の埼玉を選んだ」と、こんな一面も。

 約4年間、みっちり中華料理の修業に精を出し、腕を磨いたが、「埼玉の水が合わなくて、ずっと小樽に帰ることばかり考えていた」。

 20歳の時に小樽に戻り、すぐにバーでアルバイトを始めた。「キャバーンという、小樽で知らない人がいないくらいの有名店で、ちょうどバブルの時だったから、店の収入も今と比べて7〜8倍もあった。仕事が終わったら、毎日飲み歩いていた」

8年前に独立し、「AZABU」をオープン。20年間花園繁華街で働いているためか、最近は、悩み事を相談しに来る女性も多く、女性客の相談所にもなっているという。

 アジアンテイストの広々とした店内と、様々なバリエーションの料理が自慢で、幅広い世代のグループの宴会場所にも重宝されている。「ゆったりとしたスペースがあるので、時間制限のある飲み放題コースでも、みんなついつい時間を忘れて30分以上オーバーして飲んじゃうんだよね」と苦笑いする。

 「50歳くらいで第一線から退き、飲食業界というジャンルの中で新しいことをやってみたい」と夢を語る。

PUB AZABU
小樽市花園1-6-4
営業時間:19:00〜2:00
定休日:木曜日
0134-22-9933

 8月のベストマスター 2009

梅津 博央(ひろちか) マスター

 小樽の観光名所のひとつ、堺町通りの出世前広場の一番奥まった所にある「寿司処 出世坂」の店長。

 オーナーである昆布専門店「利尻屋みのや」(堺町4)の蓑谷修代表に、「店をやってくれないか」と請われて来たのがきっかけ。2009年1月のオープンから店長を務めている。

 札幌のすすきのや円山などで寿司職人の修業を重ね、「いろんな先輩方に色々と教えてもらって約20年になる」

 昨年、小樽の寿司店でも働き、大都会の札幌より、こじんまりとした小樽の街が好きになった。

 「やっぱ、小樽は札幌と違い、ごちゃごちゃしていないで、のんびりしている。札幌での出会いでは、その場で終わってしまうが、小樽での出会いでは、人間の温かみを感じた」

 誠実な人柄と寿司職人としての腕は、口のうるさい小樽人からも評価され、口コミで次々と常連客が増えている。「明日の夜も予約で満席」という。

 カウンター8席だけの小さな寿司店だが、養殖ものを一切使わないのに、値段も安い。仕入価格が上下するので値段は書いていないが、観光客などが入って来て、会計する時には、「えーっ!この値段」と安くて驚く人が多い。

 「仕入が安い時は出来るだけ安く提供し、高すぎる時は仕入ないものもある。客に余分な負担をかけるのが嫌だ」と静かに笑う。

 「場所が奥まっているので、なかなか入って来てくれないが、口コミで広がっているのはありがたい」

 寿司の握りは9カン1,300円の梅から、11カンの特選握りでも2,300円とリーズナブルだ。海鮮丼2,300円も人気メニューのひとつ。煮ダコやアナゴも通の人たちから褒められる。お好み握りは1カン100円(イカ、タマゴなど)からある。予算に合わせて、刺身や小鉢、炙り物などに寿司がついた5,000円の飲み放題もある。

 「まだ1年も経っていないので、格好つけないで、あせらないで、コツコツ、コツコツやるのが一番だと思っている」と謙虚な姿勢が、客からも励まされる37歳のマスター。

寿司処 出世坂
小樽市堺町2-12
営業時間:11:00〜21:00(LO)
定休日:水曜日
0134-33-6464

 7月のベストマスター 2009

菊地 智 マスター

 「住吉町で商売させてもらっているので、近所の人たちが安く飲めて食べられる店にしたい」と、昨年6月、焼とり「炭よし」をオープンした「らーめん おたる蔵屋」の経営者(45)。

 常連さんから安く飲めるところが欲しいとの要望を受けてオープンすることになった。当初、飲みを中心とする立飲み屋にしようと考えていたが、いざ内装工事に入ると、「どうせ飲み屋にするなら、自分が好きな焼き鳥をつまみに飲めた方がいいかもしれない」と、急遽、焼とり屋に変更。

 運河店の店長が、焼とり屋経験者だったことから、焼き方、タレの作り方など一から教わった。昨年2月にオープンする予定だったが、肉の脂が少なく“若いタレ”だったことから、4ヶ月オープンを延期し、タレを育てた。

 小樽出身で、薬品メーカーや金融機関で働いた。8年前に、知人の紹介で、サラリーマンから一転、「らーめん おたる蔵屋」の経営者に。「金融機関に勤めている時に、人を使う大変さを知っていたので、まさか自分が経営者になるとは思わなかった」と苦笑い。

 「いざ経営者になってみると、従業員が年上でもみんな自分の子供みたいに思えてくる。自分の子供に対する気持ちと同じように、従業員にも良い生活をさせたい、良い物を食べさせたいと思った。俺はそのために働いている。薬品メーカーや金融機関で働き、今とはまったく別の職種だが、過去の経験は職種が違っても活かせるのではと頑張っている」

 「小樽の街が大好きで、何が何でも元気にさせたい。そのためには、まず自分が商売させてもらっている住吉町を元気にしないと“アンバイ(具合)”が良くない。この町の人が要望した、安く飲めて食べられる店を開いて、少しずつ活性化させたい」と語る。

 穏やかな表情からチラリと垣間見える力強い眼差しが思いを語る。

居焼きとり「炭よし」
小樽市住吉町10-1
営業時間:17:00〜24:00 (LO:23:30)
定休日:日曜日
0134-61-7018

 6月のベストマスター 2009

高田 剛志 マスター

 花園の繁華街と寿司屋通りをつなぐガード下通路の脇にある居酒屋「とりあえず」のマスター(44)。カウンター7席・小上がり1席(4人)のこじんまりとした店で、ママさんと夫婦水入らずで営業。

 生まれてからほとんど小樽から出たことがない生粋の樽っ子。高校卒業後、就職した工業系の会社が3年後に倒産し 、水産卸の食品系の会社に転職。これが食に関心を持つきっかけとなった。いつしか自分の店を持ちたくなり、約15年勤めた会社を辞めて、市内の居酒屋で修業を始めた。

 料理が好きだから大変ではなかったと、6年間で4つの居酒屋で腕を磨き、2007年12月にオープン。2店続きの建物の壁を壊し1店舗に改装した。「マイホームが出来たのと同じくらい嬉しかったなぁ」と笑みをこぼす。

 サラリーマン時代のツテで、新鮮な海産物を仕入れすることができ、年齢問わず女性1人でも気軽に寄れる店となっている。

 「メニューを安く提供することを考えている。“とりあえず寄ってくか”と言って、気軽に足を運んでもらえたらいいな。裏メニューもあるので、店に来たら今日何が 入ってるか聞いてもらいたい。自分はマグロ好きなので、特にマグロは新鮮で美味しいものを置いている」

 当初は、母親も一緒に営業するつもりだったが、足を悪くしたため夫婦で切り盛りしている。たまに母親から、お通し用にと煮付けやきんぴらなどの差し入れがあり、「お客さんに美味しいと言われるお通しは、お母さんのだったりして」とママさん。

 店をオープンして1年半、「自分で店をやるといつでも休めるかと思ったら、全然暇がない」と、オープン前の昼に温泉に浸かり、身体を休めている。一緒に前の晩の酒も抜く。

 「小樽が好きで小樽を出ないでずっと生きているが、最近の小樽は死んでいる。昔の花園町は、週末なんてどこに行っても満杯だった。なんとかならないかな。でも、好きで店を始めたのだから、身体が続く限り営業していきたい」と話す。

 “とりあえず一杯だけでも”と、赤い提灯を入口に飾り、花園の夜に小さな光を灯している。

居酒屋「とりあえず」
小樽市花園1-4-17
営業時間:17:00〜25:00
定休日:月曜日
0134-25-3533

 5月のベストマスター 2009

岡本 憲知 マスター

 9年続けたトラックドライバーを昨年10月に辞めて、今年3月から「Cafe 四季物語」を花園3丁目にオープン。学校給食だった昔懐かしい“揚げパン”を販売し、小樽の名物にしたいと張り切っている。

 小樽出身の34歳。高卒後、“自分の店を持つ”を夢見て、資金集めのために大手運送会社のトラックドライバーに。

 大ファンというプロ野球選手・清原和博の引退(2008年10月)に併せて退職。“自分も新しい道へ”と、今年3月、運送会社で働いて貯めた資金を使って喫茶店をオープンした。

 店名は、高校生の時にすでに決めていた。「小樽は、春夏秋冬をはっきり感じること出来るし、山も海もある一番良い場所だと思う。自分の店では、春夏秋冬を感じることが出来るメニューを提供していきたい」と、“Cafe 四季物語”と名付けた。

 店のメインメニューをと考えた結果、思い立ったのが“揚げパン”だった。

 “揚げパン”は、コッペパンを揚げて砂糖やココアパウダーなどをかけたもので、学校給食のメニューとして知られている。市販のコッペパンを使用すると、揚げる時に油を吸収し過ぎるので、小麦粉などの分量や発酵時間を工夫し、油を吸いにくい自家製パンを開発。

 味は、定番の砂糖やきな粉、ココアのほか、オリジナルのミルクチョコナッツや小倉ホイップなど7種類を用意。「年配の方には懐かしさ、若い人には新しい感覚を味わってもらいたい」

 愛妻・実妹・友人の4人で協力して店を営み、店内販売のほか宅配も行っている。

 「将来は、小樽発の“揚げパン”を名物にすることと、ペンションの経営もやりたい」とニッコリ。

 ハワイを思わせる暖かい南国の雰囲気が広がる店で、昔懐かしい“揚げパン”とともに和やかな時間を提供している。

Cafe 四季物語
小樽市花園3-4-9
営業時間:10:00〜19:00
定休日:なし
0134-32-7746

 4月のベストマスター 2009

荒井 正輝 マスター

 国道5号線から花園グリーンロードを海側に進むと、“パスタを食べる目つきの悪い猫の看板”が見えてくる。暖簾はなく、妻でイラストレーターの英子さんがデザインした猫が、客を迎える。

 昨年10月にオープンした洋食レストラン「なまらや」のマスター(39)。パスタや燻製料理などがおすすめだという。

 マスターは、東京都出身だが、大学生の時に旅行で訪れた小樽が大好きになり、ハマッた。夏と冬の休みには、船見坂上にあった宿で働いた。この時に知り合った女性が、今はパートナーとして店を切り盛りする。

 大卒後、システムエンジニアとして勤めたが、4年後に退職して、中国からヨーロッパまでを半年間旅行した。帰国後、また小樽を訪れ、飲食店でアルバイトをしながら、料理修業に励んだ。自分の店を持ちたいと強く思うようになったため、東京に戻り、貸しギャラリーで喫茶店を開いたり、イベントで料理を出したりと経験を積んだ。

 店を出すなら、“絶対に小樽だ”と移住を決め、集合住宅には住みたくないとの思いから、空き家を見つけて、昨年春に、1階を店舗、2階を住居に改装した。北海道に移住した人が北海道を紹介する雑誌「なまら蝦夷」から、店名を“なまらや”とつけた。

 「こっちに引っ越して来て本当に良かった。東京では自分のペースが保てなかったが、北海道ではすごく気分がラク。のんびりやらせてもらっている。今までは短期間の小樽滞在だったので、小樽に1年間住むことがなかった。住んでみると、紅葉がすごくきれいだったり、四季を感じることが出来る」と、ゆったりとした口調で語る。

 洋食台処 なまらやHP

洋食台処 なまらや
小樽市花園3-6-6
営業時間:12:00〜14:00、17:00〜22:00
定休日:日曜日・月曜日
0134-61-7930

 3月のベストマスター 2009

米澤 秀司 マスター

 JR小樽駅から札幌方面に国道5号線沿いを歩いて5分。今年1月24日にオープンしたばかりの「キャンドルライトカフェ&レストラン 小樽 Muse(みゅーず)」のマスター(40)。

 鳥取県の出身。大学を卒業してから京都の印刷会社に就職。ラジオの文通コーナーで、アメリカのロックバンド“シカゴ”に興味のある人を募集したところ、40通もの手紙が届き、その中から選んで返信したのが、妻となる純さんの手紙だった。

 文通を2年続けたが、純さんのアメリカ留学を機に顔を合わせることもなく文通を止めた。6年後、転勤が決まり、引越しの準備をしていると、手紙の山が出てきた。懐かしさがこみ上げ、元気にしてるか気になり、純さんの両親が営む北海道洞爺湖のレストラン・ペンションへ電話した。

 東京で通訳の仕事をしていると聞き、早速、電話した。「文通していた時の懐かしい話で盛り上がり、そういえば会ったことないよね、会ってみようかということになった。ちょうど東京にいたので、新幹線で京都まで来てもらって、会ってみると、お互いに意気投合し、半年後に結婚した」

 京都で生活を始めたがお互いの休みが合わず、すれ違う日々が続いた。「嫁は、京都には知り合いもいなかったので、可哀相だなと思った。一緒に店を経営すれば、ずっと一緒にいられる」と、北海道に移り、妻の実家で料理修行を始めた。

 「結婚前に両親に挨拶するため、初めて北海道を訪れたが、最初の上陸地が小樽で、ノスタルジックな雰囲気に惹かれた。石造り倉庫を利用した北一ホールに入ったら、こんな素晴らしいところがあるのかと感動した。休みがあると小樽を訪ねた。祝津や市場、喫茶店どれも魅力的だった。いつか2人で店を開きたいと思っていたが、やる場所は小樽しかないと考えていた」と、2人の夢が、今年1月24日に実現した。

 義父の“料理の鉄人”から学んだ調理法が自慢。白身魚のアラでとったダシと熟成させたトマトソースにハーブ・スパイスを効かせてじっくり煮込んだブイヤベース風のスパゲティ「ペスカトーレ」(1,470円・税込)が、一番のおすすめだ。

 「お義父さんにも褒められたブイヤベース風のペスカトーレは、少し値段は高いが絶対満足してもらえる味。このほかにもおすすめの料理はたくさんある。地元産のものを使うようにしているので、安心して食べていただけると思う」

 心を落ち着かせるライトモスグリーンの店内のテーブルには、愛妻の手作りのキャンドルが灯る。

 キャンドルライトカフェ&レストラン 小樽 Muse(みゅーず)HP

キャンドルライトカフェ&レストラン 小樽 Muse(みゅーず)
小樽市稲穂1-11-7
営業時間:11:00〜20:00(19:00ラストオーダー)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日に振替)と第4土曜日
0134-31-6300

 2月のベストマスター 2009

原田 孝 マスター

 小樽で一番古いお好み焼き屋と言われる“源平”のおやっさん。

 ダンボール会社からのリストラを機に立ち上げた店は、インターネットの口コミで、“大阪よりもうまいお好み焼き屋”と紹介されるほど。

 今年で72歳、生粋の樽っ子。サラリーマン時代、大阪に転勤になり、「大阪には、小樽にラーメン屋がたくさんあるような感じで、お好み焼き屋が並んでいる」と、お好み焼きを食べ歩き、定年退職してから店を開こうと考えた。

 しかし、定年退職より17年も前の43歳の時に解雇された。すぐに、お好み焼き屋をオープンしようと、小樽協会病院横の石蔵を借り、350万円かけて内装工事をした。「背水の陣だった」とポツリ。

 「確かにお好み焼き屋は食べ歩いたが、何も分からねえで350万使って、サラリーマンから急にお好み焼き屋を開くなんて、今の若いやつには出来ねえだろうな。」

 当時、市内のお好み焼き屋は8軒あったが、今では半分程度になったという。オープンした頃にあった古い店も今はなく、「多分うちが一番古いのではないか」と話す。

 “大阪よりうまいお好み焼き”の秘訣は、「キャベツとか海産物は道産の物を使っているからうまいんだ。大阪に比べたら食材が良いだけ」と多くを語らない。

 ただ、どんなに忙しくても、客の目の前で焼き、客に焼かせることはしない。「大阪の人ならともかく、こっちの人はあまり焼き方を知らねえべ。お客さんに焼かせると、話ついでに、ヘラで押してしまうべ。うちのは、粉と卵の微妙な加減で、外はカリカリ、内はフワフワにするのに、押し潰しちゃったらべちゃべちゃに仕上がってしまう。だから自分でやるんだ」

 小樽の活性化を願うおやっさんは、焼きながら色々なアイディアを語る。「小樽近郊でしか獲れない魚をPRするとか、イクラとかウニとかを本州にばかりに送らないで、北海道に来て食べさせるとか、忍路湾をもっとアピールするとか、やることは沢山ある。小樽だけでなく、後志と連携するべきだ。せっかく一本の道路で繋がっているのだから、小樽で1泊したらレンタカーを借りて、後志をぐるっと回ってまた小樽に戻って来てもらうようなオール後志のプランとかは出来ないのだろうか。それにしても小樽は不景気過ぎる。この前、副市長が食べに来たから、『活性化してねーぞ』って言ってやったんだ」

 72歳の高齢ながら、まだまだ現役バリバリ。小樽の将来を想う“鉄板焼・おこみ焼き 源平”のおやっさん。

鉄板焼・おこのみ焼 源平
小樽市住ノ江1-7-9
営業時間:11:30〜21:00
定休日:水曜火曜日
0134-23-9717

 1月のベストマスター 2009

手島 大祐 マスター

 ゆったりとした優しい語り口で客を癒す、美容室Fresh&Peace(フレッシュ&ピース)の代表。

 小樽で生まれ、美容室経営の母親の後ろ姿を見て育った。接客する母親の姿に影響され、高卒後は、ガソリンスタンドやコンビニなど、様々なサービス業でアルバイト。

 3年間のフリーター生活を経て、理美容専門学校に通い、市内の美容室で武者修行を始めた。この間、様々な人や学生、研修生などと触れ、「美容室の下積み時期は大変。子供がいる主婦や若い人が、学びながら働きやすい環境を作りたい」と、自分で店をオープンすることを決めた。

 「周りから、“まだ早い”と反対されたが、オープンして、色々なお客さんに助けてもらい、勉強させてもらって、なんとか経営している」とニッコリ。

 生まれ育った小樽を良くしたいと、若者の教育に積極的に取り組む。「しっかりした若者を育てる街にすれば、若者の雇用や社会に貢献出来るはず。微力ながら、一人でも多くの若者の力になりたい」

 20代から40代までのスタッフ5人のほか、常に高校生のアルバイトを雇っている。「小さな店で社会勉強してもらいたい。うんちくは語れないが、サービスの本質や些細なことなどを少しでもいいから分かってもらい、良い社会人になってもらいたい」

 小樽の古い街並を眺めながら喫茶店巡りをして、疲れを癒すことが趣味。出会った店の美味しいコーヒーを客にサービスする。癒しサービスの中で、一番の自慢はシャンプー。そのリフレッシュの後のコーヒーが美味しいと評判だ。

 2009年4月でオープン5周年を迎える。「今までたくさんの人に支えられたので、まずは自分が頑張っている様子を見せたい」とホームページやブログの更新にも力を入れる。

 「ネットの力はすごい。新規のお客さんも多く、パソコンやケータイの予約も好調で、入りやすい店づくりを目指している。美容室は、人の紹介でないと入りづらいと言われるので、新規のお客さんがすぐに打ち解けるように努力している」

 “一生勉強、一生青春”がモットーの愛称『てっちゃん』で親しまれる美容室のマスター。Fresh-Peace HP

Fresh&Peace(フレッシュ&ピース)
小樽市花園3丁目16-1
営業時間 平日:9:45〜18:00
     日祝:9:45〜16:00
定休日:毎週火曜日、第2・第3月曜日
0134-21-4775