標本を読み解く 博物館企画展講演会 (2018/05/12)

 小樽市総合博物館(手宮1)2階企画展示室で開催中の「フォーリー神父とオタルスゲ~小樽に来た伝説の植物採集家」に関連して、5月12日(土)10:30から12:00まで、同館・研修室を会場に、札幌市博物館活動センター学芸員で水草専門家の山崎真実氏を招き、「採集地Azumaの謎を解け!フォーリーの植物標本から」と題して講演会が開かれた。

mikurizoku1.jpg 100年以上前にフォーリー神父が作成した植物標本に基づく研究について紹介し、30名が参加して話に耳を傾けた。

 フォーリーが作成したヒナミクリの標本ラベルに記載されている謎の地名「Azuma」とはどこかを、イギリスの植物園などを訪問して調査。研究結果など興味深い内容となった。

 「標本を見る目が少しでも変われば」と、標本ラベルを読み解く面白さや新たな発見について語った。

 ラベルに書かれた「Azuma」については、関東地方とする海外の論文があった。しかし、 フォーリーの植物採集の足跡をまとめた論文(角田氏・1992年)から、ラベル記載の1893()年7月13日、北海道の厚真(あつま)から勇払(ゆうふつ)に滞在していたことが判明した。

mikurizoku2.jpg そのことから、フォーリーが採集したヒナミクリの産地は、厚真周辺だったことが分かった。海外の論文では、音(アヅマ)だけを手がかりに吾妻(現在の北関東・群馬県西部)と誤認した可能性があると推測した。

 厚真周辺でヒナミクリを再発見できていないが、2010(平成22)年と2011(平成23)年に根室半島で現地調査し、その時のヒナミクリの生育地の様子を写真で紹介。

 「標本を活用することで、さらに標本の付加価値が高まる。標本ラベルは、後世に伝えるもので、読み解く側の解釈で意味が変わってしまうことや、社会情勢によって消えている地名もあり、古い標本ラベルを読み解くためには、歴史学など異なる分野の視点も入れ、紐解くきっかけが得られる。標本を作った人の人間味や交友関係もみえる等、標本はいろいろな見方ができる」と語った。

 企画展関連して、6月2日(土)10:00から12:00まで長橋なえぼ公園・森の自然館に集合して、自然観察会「オタルスゲと初夏のなえぼ公園」を実施。申込みは5月30日まで。

 6月17日(日)11:00から12:00まで企画展示室で、企画展ギャラリートーク「伝説の男フォーリー神父 まるごと解説」を実施で申込不要。

 申込み・問合せ:0134-33-2523 FAX:0134-33-2678 総合博物館本館

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