小樽ニシンそばのルーツ!運河館トピック展


nishinsoba1.jpg 小樽市総合博物館運河館(色内2)のトピック展「虚像から生まれた名品~小樽のニシンそば」が、12月23日(土)から2018(平成30)年4月5日(木)まで、第1展示室で開かれている。
 小樽の蕎麦屋の歴史やニシンそば誕生秘話を交えて、パネルや写真・資料等25点を展示している。
 江戸時代後期から明治初期にかけて、小樽周辺はニシンの漁場として知られていた。北海道のニシンを丸干しにして、三枚におろし干してみがきニシンにして、京都方面へ出荷されていた。
 1882(明治15年)に、京都の「松葉」では、みがきニシンを「棒煮」にして、そばと合わせてニシンそばが誕生。発祥の地となり、京都をはじめとする関西地方でニシンそばは現在でも広く食され、年越しそばとしても人気がある。
nishinsoba2.jpg 小樽の蕎麦屋の歴史は、1872(明治5)年が始まりと伝えられていたが、旧量徳小学校の前身となる小樽郡教育所の初代校長・鵙目貫一郎氏が日常を綴った「填海(てんかい)日記」(明治4年〜7年)の明治4(1871)年の日記の中から、鳴海屋という蕎麦屋が存在していたことが分かり、歴史を塗り替える発見となった。
 小樽で現存する中で、最も古くから開かれている蕎麦屋は、1894(明治27)年創業の一福そば店(色内1)。
 稲垣日誌の中でも、年越しそばについて綴られ、明治後期の梅屋商店の主人・村住政太郎氏が撮影した写真には、大晦日に従業員が美味しそうに年越しそばをすする姿が捉えられている。
1223-0405museum.jpg 1985(昭和60)年頃に、小樽を訪れた観光客は、ニシンの本場のイメージから小樽でニシンそばを注文するが、当時の蕎麦屋のメニューになかった。
 2009(平成21)年に、ニシンをコンセプトに小樽の魅力を発信する、鰊プロジェクト実行委員会(須藤雅司委員長)を立ち上げた。須藤委員長は、初めて見た群来に感動。小樽近海ニシンと、子持ち昆布・小樽産の蕎麦粉・ねまりいも等、地元の食材を使った小樽群来そばを誕生させ、5店舗ほどが賛同しメニュー化した。
 現在、小樽蕎麦商組合では、加盟する6店舗で各店のオリジナルニシンそばを提供。定番メニューとなっている。
 石川直章館長は、「ニシンそば誕生の理解と、小樽の蕎麦屋の歴史は100年以上あることを知ってもらいたい」と多くの来館を呼び掛けている。
 トピック展ギャラリートーク 1月14日(日)11:00〜12:00
 運河館(色内2)第1展示室 講師:石川館長
 「蕎麦屋の親父 蕎麦を語る」 2月24日(土)13:30
 本館(手宮1)2階研修室 講師:小川原格(藪半店主)
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