卒業生が後輩のために!北陵中へ190冊本寄贈


hokuryoutyubook1.jpg
 北山中学校と末広中学校が統合し、4月からスタートした北陵中学校(清水町5・宮澤知校長)へ、末広中学校卒業生の株式会社明治ホールディングス・江良惣一郎代表取締役(川崎市在住)から、学校図書の充実にと図書190冊(50万円相当)の寄贈があった。
 寄贈図書の準備が整い貸出が始まった11月24日(金)16:00から、図書室で、図書専門委員12名が見守る中、高橋恒雄教頭から、図書専門委員長の歌方菜々穂さん(2年)へ目録を渡す贈呈式が開かれた。
 江良氏は、末広中の閉校式に出席した際に、図書館の本が少なく古い本ばかりであることを知り、この度の寄贈となった。これまでも絵画3枚を寄贈している。
hokuryoutyubook2.jpg 高橋教頭は、「新しい本として生徒の皆さんに活用され、みんなの力を伸ばしてくれると思う。ぜひ、沢山活用して江良さんにありがとうの気持ちを活動で伝えてください」と感謝した。
 同図書室は、市内の中学校で唯一図書館司書の配置を受けている。5年前から学校司書として勤務する渡辺雅代さんは、手宮中央小学校・松ヶ枝中学校を経て、現在、同校の司書を務める。
 蔵書の管理や分類、整理、貸出の管理を行っている。学校で新聞を教材として活用する取組み「NIE推進指定」を受け、9月から毎週1日の「NIEタイム」を設定。新聞を読むよう奨めたり、読書力を高める工夫をしている。
 今回寄贈の190冊は、渡辺さんが同図書室の蔵書状況や生徒のことを考えて選んだ。9月2日現在で、蔵書は6,318冊。学校図書館図書の標準は9,040冊で、学校図書館メディア基準では25,373冊で、満たしていない。
hokuryoutyubook3.jpg
 閉校した両校の蔵書の冊数はあったが、1990年以前のものが多く、学習で使いたい歴史や科学に関する図書が大変不足していることが調査で分かった。
 生命37億年の驚異的全貌・大迫力図鑑のマイケル・J・ベントン著「生物の進化大図鑑」(河出書房新社)9,500円(税別)をはじめ、福江純著「14歳からの天文学」(日本評論社)や「絵本日本女性史」(大月書店)、国語の教科書にも掲載している星野道夫著「アラスカの詩」(新日本出版社)、下村脩著「ノーベル賞へ」(長崎文献社)、今泉忠明著「ざんねんないきもの事典」(高橋書店)などが、新たに加わり、市費で購入した本とあわせて、現在、約6,500冊の蔵書となった。
 同図書館の利用状況も司書によって調査され、4月・5月は480人台、6月に772人が利用。4月から8月まで2,841人が利用し、585冊の本が貸し出された。10月には、初の1,000人を超える利用があった。
 「ルイ・ブライユと点字をつくった人びと」(岩崎書店)を早速借りた図書専門委員・末渚沙さん(1年)は、「小学校の時に、ルイ・ブライユの伝記を読んだので読んでみたいと思った。本が沢山寄贈されて嬉しい。利用したい」と話した。
 渡辺司書は、「地域の方々にも見てもらい、学校図書館にもっと目を向けてもらいたい」と話した。
 同図書室は、旧手宮西小学校の図書館をフロアーにしたり、バリアフリーに改修して利用。利用対象は、生徒・教員・保護者。貸出冊数は1度に2冊まで、貸出期間は1週間。開館時間は昼休みで、始業前や放課後でも司書が在館時は、本の貸出・返却ができる。
 北陵中学校