松前神楽の合同公演会!龍宮神社



 格調高い神事芸能・松前神楽の小樽ブロック保存会の合同公演会が、11月18日(土)13:00から、龍宮神社(本間公祐宮司)社殿で開かれた。
matsumaekagura1.jpg 同ブロック保存会は、小樽・神恵内・鬼鹿・寿都・後志松前神楽保存会と松前神楽瀬棚保存会の6団体が所属。いなほ幼稚園園児や小学校児童と合わせて約80名が、20の演目で出演した。
 見応えのある公演会に100名以上が訪れ、社殿内は満席。演目ごとに大きな拍手が贈られていた。
 公演会は、今年で15回目を迎えた。本来、神様に捧げる意義の原点に還り、松前にゆかりのある榎本武揚が建立したとされる同神社での公演が相応しいと企画。
 同神社では、未来を担う小さい子ども達にしっかりと伝承し、後継者の育成にも力を入れている。幼稚園児4名が調子を揃えて舞う「太平楽」と、古くから伝承する巫女舞で天女のように舞う「八乙女舞」は、小学2年〜5年女子が出演。子ども達が一生懸命に練習に励み、その成果を発表した。


 本間宮司が舞う「幣帛舞(みてくらまい:祝詞舞とも言う)」は、「神域は祓い清め、神拝して御幣を奉る」という、神職の神明奉仕の姿を表した舞。
 鳥兜を頭につけて舞う「二羽散米舞」は、雄は天を表す瑞雲を、雌は地を表す海の波をかたどり、夫婦が親しみ和合して世の中が平和であるさまを表現し、五穀豊穣を祝う舞いのため、観客に餅がまかれた。


 能楽の原点とされる翁舞も松前神楽の演目にあり、面がおもしろく心柔和な老翁が登場し、舞中に願いごとを言葉にして、息災延命・立身出世を祝うめでたい舞いを披露。
 三番叟(さんばそう)舞は、本間宮司が黒い翁面をつけ、健康長寿を喜び子孫繁栄を祝福した舞いに大きな拍手が贈られた。
 市内在住の男性は、「初めて見た。テンポも良く、それぞれのブロックで後継者を上手に育てていることが感じられた。長く小樽に伝わり親しまれてきた伝統文化を応援してあげたい。1人でも多く市民に見てもらうためにも、枠にとらわれないで、思い切って大きな場所で公演し見てもらうことも必要なのでは」と話した。


 350年続く松前神楽は、北海道の伝統芸能として松前から小樽へ伝えられ、120年以上が経つ。小樽にとっても大切な伝統文化のひとつで、北海道無形文化財第1号(昭和33年4月)に指定された。
 国指定の文化財となるよう、1999(平成11)年4月に、松前・福島・函館・小樽の各ブロック保存会により松前神楽北海道保存会を結成。公演活動や後継者の育成、伝承に力を入れている。2008(平成20)年6月に、北海道無形民俗文化財に指定された。
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