小樽芸術村グランドオープン!小樽に新名所登場



 芸術の秋に相応しく9月1日(金)、株式会社ニトリホールディングスが運営する小樽芸術村がグランドオープンし、4つの美術館で構成された小樽の新名所が登場した。
 昨年7月に、ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)とアールヌーヴォー・アールデコグラスギャラリー(旧荒田商会・現ミュージアムショップ)が先行オープンし、今年8月に旧三井銀行小樽支店が開館。このほど、4つ目の似鳥美術館の整備が完了し、グランドオープンとなった。
 開館を祝う記念式典が14:30過ぎ、緑の芝生が心地良い小樽芸術村中庭で執り行われた。
 同ホールディングス似鳥昭雄代表取締役会長兼CEOをはじめ、高橋はるみ北海道知事、森井秀明小樽市長、秋元克広札幌市長、山本秀明小樽商工会議所会頭、西條文雪小樽観光協会会長ら6名が出席した。
 似鳥会長は、「昨年7月に、ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)とミュージアムショップ(旧荒田商会)がオープンして10万人の方が来館し、小樽の人気ベスト10の1番になったと聞き、非常にびっくりした。皆さんのお陰と感謝している。4館がオープンとなり、今年は20万人を目標に社員一同頑張りたい」と挨拶。
nitorigrandopen.jpg 高橋知事は、「岸田劉生、横山大観など、日本を代表する大家の方々の絵画や彫刻の作品群が皆さんに観ていただける。小樽の歴史的な建物群と相まって、小樽のそして北海道の観光の魅力発信に、大いに貢献することを期待している。小樽芸術村と道立美術館と連携協定を結ばせていただき、素晴らしい作品を1人でも多くの道民に観ていただけるように、連携協定を通じて、お借りして展示していきたい」と挨拶した。
 森井市長は、「金融街として発展した建物を、芸術村として再生させていただき、大変嬉しく思う。この度、ニトリの皆さんが素晴らしい命を吹き込んでくれた。多くの金融機関の跡地が残っているので、この芸術村の開館を機に、より多くの皆さんが小樽の素晴らしい魅力に気付いていただければと思う」と期待を寄せた。
 6名によるテープカットが行われ、拍手が沸き起こり、グランドオープンを祝った。
 その後、似鳥会長と同総合企画室・玉上宗人室長・同芸術村・天池風太支配人が、報道陣の質問に応じた。
 小樽芸術村の構想はまだ先があるのかについては、「まだ途中で、日本画専門や洋画、古美術、きりがないほどやることが沢山ある」と答えた。
 予算については少し言いずらそうに、”約50億ほど”と答え、観客動員の目標は、1年間で10万人。来年は20万人、将来はもっと中身を変えて良い作品を導入し、美術館を増やし30万人を目指したいとした。
 似鳥社長が勧めるポイントについては、「1年前に開館したステンドグラス館はもちろん、アールヌーボーのガラスをこれまでの3倍の150点を揃え、かなり充実した部分と岸田劉生の絵は素晴らしく、見れば見るほど吸い込まれる作品だ」と絶賛した。
 他の美術館とは違い、音声ガイダンスを聞きながらじっくり鑑賞してもらい、1度に全部聴くのは無理なので、何度もリーピートしてもらいたいとした。
 展示については、際立たせる展示に重点を置き、感動するような展示方法を心がけたが、今後の課題でもある。似鳥会長がすべて選んだ作品で、選ぶ基準については、日本人が知っている作家や作品を主に選び、誰が観ても、綺麗・楽しい・美しいと思える作品を選んだ。
 
 札幌出身の片岡珠子氏の作品は展示の倍以上あり、何回か入れ替えながら展示し、鎌倉から江戸時代の古美術品もあり、古美術館を将来開設したいと明かした。
 美術館は夢のひとつで、作品選びが趣味で今後もやめられないという。「皆さんを楽しませることが好きで赤字は覚悟。小学生や中学生がどんどん美術に関心を持ち、大人になって行動してもらいたい。
 父親に小樽に連れて来てもらい、問屋街に来た当時は賑わっていた。新しい建物を建てるより、自分の好みとして古い建物を利用したかった。札幌からも近く、10年前から小樽を調査し、5・6年前から始めた。
 小樽で緑の芝生の上に座り、憩いの場に。また、ガラスの街といわれるが、ガラスの美術館がなく、観せるところがないことも開館のきっかけに。今後は、日本のガラス作品も揃えて、世界のガラス館を作りたい」と、さらに構想は広がっている。
 小樽芸術村
 開館時間:9:30~17:00(11月~4月10:00~16:00)入場は閉館30分前まで
 休館日:5月~10月無休・11月~4月毎週水曜(祝日の場合は翌日)
 入館料:3館共通一般1,900円・学生1,400円・中学生以下無料
 ミュージアムショップ入場無料
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