能舞台前に能面ずらり! 外沢照章・能面展 (2017/08/01)

 第13回外沢照章・能面展が、8月1日(火)~6日(日)9:00~17:00に、小樽市公会堂(花園5)で開催中だ。

 能面作家の外沢氏は、昨年の展示会終了後に製作に取り組んだ能面4つの新作を含め、44点と木地仕上げ品(モデル面)を合わせた77点を展示している。

noumenten1.jpg 会場からは能楽堂が見え、能舞台へ思いを馳せながら、様々な演目で使われる能面を楽しむことができる。

 会期中は外沢氏が常駐し、詳しくい解説を聞きながら、能面(モデル面)に触ってみたり、顔に付けた時の視野を体験するなど、市民が能に親しむ絶好のチャンスとなっている。


 能面250種類のうち、基本形92種類の7つのカテゴリー(翁系・鬼神系・尉系・男系・女系・怨霊系・狂言系)をまんべんなく打つことを目標に、今回の新作は「鷹」・「長霊べし見」・「鷲鼻悪尉」・「小天神」の4点を発表。そのうちの「鷹」と「鷲鼻悪尉」は、新しい種類の面で、今回で68種・93点を製作した。

 新作4点のうち、「鷹」は、「船弁慶」と「項羽」の物語に出てくる神体面で、上瞼の中央を持ち上げ、強い恨みを表し、「長霊べし見」は、内面に抱えた闘争心の強さを表している。「鷲鼻悪尉」は神霊面で、鼻の形が鷲に似ている。尉とは老人の面で、悪とは形相が悪いという意味。少しおとなしい曲の「大社」に使われる。

 「小天神」は、「金札」や「舎利」の強い神の役柄。1本1本の髭を手描きで書き、カールした髭や艶をなくした曇りガラスのような皮膚を表現したりと製作の難易度が高い。天神は、学問の神様菅原道真に由来している。

 面の肌の色も様々で、泥絵の具を使い、1匙(耳かきほど)ずつ調合し、ノートで色の試し塗りを繰り返し、求めた色に辿りつく。製作には緻密さが求められ、皮膚に光沢を出したり、くすませたり、これまで製作した面について細かく記録したノートは68面分68冊に上るという。

noumenten2.jpg 能の曲・240曲のうち、ほとんどが、鬘物(かずらもの=女物)が多く、重荷悪尉(おものあくじょう)は、姫に心を奪われた庭師の話「恋重荷」で使われる。姫は身分の違いから相手にしてくれず、姫の悪知恵から恨みを持ち、死後、怨霊となって現れ、姫は自分の悪さに気付き、供養し成仏したという物語。見るからに恐ろしげな形相だ。

 能面は、悲しみと喜びが表現でき、前かがみで中間表情が、下向き加減で悲しみを、上向き加減で喜びを表現するなど、角度により心の内を面に表すことができる。

 外沢氏は、「北海道は能の発達ができず、道内の人口と比べても能の文化が少ない。もっと能について知ってもらいたい。この機会に、能面に触れ、能を知るチャンス。ぜひ来場していただきたい。どの曲に使われている能面かが分かり、なぜこの面が使われているのかリンクする。気に入った面を打ち、その曲が分かり、役どころからその面の心情を表すよう心を込めて面を打つことが、面打ちの醍醐味のひとつ」と話す。

 外沢氏は、1942(昭和17)年東京生まれ。建具職人の父親のそばで、子どもの頃から木を削って遊んでいた。父親が亡くなった時に使用していた突ノミなどを譲り受けた。1978(昭和53)年の「別冊太陽」に掲載された能面と出会い、42歳の時、近くの能面教室を訪問したことが始まりとなった。

 2003(平成15)年に小樽に移住し、今年で14年目となる。2006(平成18)年に初個展を開催。2009(平成21)年からは、公会堂で毎年開催し、夏のこの時期の恒例行事となった。2014(平成26)年には、能面を打ってから30年目を迎えた。

 第13回外沢照章・能面展 8月1日(火)~6日(日)9:00~17:00
 小樽市公会堂(花園5)地下展示場 入場無料
 作家会場待機時間10:00~12:00・14:00~7:00

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