炭鉱の記憶 作家26名の夕張への想い (2017/07/08)

 市立小樽美術館(色内1)は、企画展「甦る炭鉱の記憶」が、7月8日(土)〜9月17日(日)に2階企画展示室で始まった。

tankouart1.jpg 夕張教育委員会と小樽市総合博物館収蔵品など、炭鉱作家をはじめ小樽と縁のある作家26名の炭鉱にまつわる絵画や写真・立体作品など68点を展示。それぞれの作品から炭鉱への想いが伝わってくる。

 北海道で最初に開通し、石炭輸送を目的とした幌内と小樽手宮を結ぶ鉄道は、その後、夕張へと延伸。小樽と夕張は、鉄路を通じて物資や人物との交流がさかんだった。

 この企画展では3章に分け、石炭が辿った道、炭鉱作家の作品の中の夕張、夕張ゆかりの作家の作品を一堂に展示し、厳しい自然の中で炭鉱に生きた人々の生活や辛い労働、文化を紹介している。

 炭鉱作家と呼ばれた畠山哲雄氏(1926~1999)は、72年の生涯を夕張で過ごし、多角的な視線で対象物を描き、ズリ山(炭鉱が作る独特の山)や選炭場など、夕張ならではの風景を数多く残している。
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 同じく炭鉱で働いていた小林正雄氏(1917~2010)は、画面一面にダイナミックなズリ山が印象的な「捨石の山」など炭鉱の風景を描いた。

 祈りを想像させる「入坑する人」は、木下堪二氏(1917-1989)の作品。危険な労働への想いが込められている。

 小樽を代表する夕張ゆかりの作家、水彩画家の白江正夫氏(1927~2014)は、「原風景」(2009年)を展示。不透明水彩を自在に使いこなし多くの作品を発表。炭鉱が町を支えた時代、同氏が20歳の時、2年間という夕張での教員生活で、地域を越えた現代美術作家とを結ぶ役割を果たした。

 佐藤時啓氏(1957~)は、1992(平成4)年、夕張炭鉱の廃墟の現場から、蛍のように光る光の痕跡を捉えた写真が並んだ。

 抽象派作家の江川博氏(1937~)は「冬の時代」。2006(平成18)年ゆうばり国際映画祭のポスターの原画は、熊谷知之氏(1941~)の「風のNabi」。世相漫画家の森熊猛氏(1932~2004)、加賀谷松雄氏(1939~1986)の心弾かれる作品のひとつ「炭鉱のモニュメント」など、夕張出身の個性溢れる作品に、来場者は足を止めて鑑賞していた。

tankouart3.jpg 初日の8日(土)は、オープニングセレモニーを実施。11:00から、夕張美術館・上木和正元館長による「炭鉱と美術 夕張市美術館コレクションから」と題した講演会が、同館1階研修室で関連事業として開かれ、約30名が参加した。途中からは、「夕張の子どもたち」の作家・岡部昌生氏も参入。

 夕張は破綻から10年が経ち、人口8千人のうち65歳以上が50%を占めるという。小樽との関わり合いや、小樽ゆかりの人物など、展示作品を紹介しながら、エピソードを交えて夕張の炭鉱の歴史に触れた。

 岡部氏の作品で、夕張が変わる時1998(平成10)年に生まれた「夕張の子どもたち」は、1977(昭和52)年3月22日、夕張清陵小学校の卒業を記念して6年生が彫った自画像84名分を廃校から運び出し、同氏が1枚1枚刷り取り展示した。当時の卒業生に、クラス会を開きプレゼントされたという。

 上木氏は、「風土や歴史に影響されている作品が多く、夕張に対するそれぞれの思いが作品に表現され、夕張ならではの土地から生まれた作品」と熱く語った。

 甦る炭鉱の記憶 7月8日(土)~9月17日(日)9:30~17:00
 休館日:月曜日(7月17日除く)・7月18日(火)・19日(水)・8月15日(火)
 観覧料:一般500円、高校生・市内70歳以上250円、中学生以下無料
 市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室

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