艸木叢林(そうもくそうりん) 沓間照男作品展


 小樽市桂岡在住の沓間照男氏(66)の個展「艸木叢林(そうもくそうりん)」が、6月14日(水)~18日(日)、市立小樽美術館(色内1)市民ギャラリー1・2で開かれ、2003(平成15)年から2016(平成28)年まで道内で撮影した86点を21のテーマに分けて展示。枯れ木や葉・倒木など、植物を題材にした魅力溢れる作品に、訪れた人は足を止めて見入っていた。

 作品のサイズは、A4・半切・全紙で、プリントも自分で行い、反射を避けるために硝子を入れずに見やすく額装している。

soumokusorin1.jpg 沓間氏は静岡県清水市に生まれ、父親の転勤で北海道に住む。高校生の頃からカメラに興味を持ち、24年間、医学写真の仕事に従事。ありのままを撮影する記録写真や、研究・診療に役立てるための写真を撮る。15年前から、身近な自然に感動し撮影を楽しんでいる。

 4年前から、市内銭函周辺の写真愛好家が集まるカメラ倶楽部「優游会」の講師を務め、撮影のノウハウを分かりやすく指導している。

 これまでは、札幌でグループ展に参加し、一昨年、北海道新聞小樽支社(稲穂2)1階ギャラリーで、小樽初の個展を開催。今回2回目も前回同様、「艸木叢林(そうもくそうりん)」とし、ホームページやブログでのタイトルを使用。春の桜・夏の緑・秋の枯葉・冬の雪原と、1年を通じて身近に出会う自然界の贈り物を、見逃さずに作品にしている。

 お気に入りの場所は、手稲区手稲星置の星観緑地(ほしみりょくち)。川が流れ、400本の桜や120本の桜並木など、撮影する題材が豊富で、一度出掛けると250カットは撮影するが、その中で気に入ったものは2、3枚だという。
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 ピントの合わせ方や見る角度、太陽光などにより、変化や発見があり、魅力溢れる作品が生み出される。

 好みの植物のひとつ「芒(すすき)」は、穂の輝きを表現するために逆行の撮影が主となり、難しい撮影ではあるが、多様な表現ができるそうだ。

 見る角度によって水に映りこむ様々な様子や、見過ごしてしまいそうな樹肌の表情、色とりどりの落ち葉と青い空が映りこんだ湖、夕陽とかたくりとエゾエンゴサクの群生など、印象深い作品が並んでいる。

 沓間氏は、「見方を少し変えることで、面白いものが沢山見えてくる。皆さんも見方を変えて撮影に挑戦してもらいたい。自然は美しいと改めて思う」と話した。

 沓間照男写真展「艸木叢林(そうもくそうりん)」
 6月14日(水)〜18日(日)9:30〜17:00(最終日16:00)
 市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリー1・2、入場無料

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